Netflixで配信されているオリジナルドラマ「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」。
今回は、クレイン家の長女・シャーリーにスポットを当てた回でした。
ホラーシーンに驚かされたのはもちろんのこと、胸がギューっとなるような切ないシーンもたくさんあったお話でした。
ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス第2話「棺の中」あらすじ
葬儀屋として働くシャーリーは、兄からの電話により、妹のネリーが亡くなったことを知る。
愛する妹の死を受け、妹の葬儀を自分が取り仕切ろうと考えるシャーリー。
しかし彼女は、子どものころのある“トラウマ”に悩まされていて…。
ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス第2話のネタバレ&感想
■「赤の部屋」って、いったい…?
「ネリーが赤の部屋にいる!」
そう叫んでシャーリーが飛び起きるシーンから第2話は始まります。
時刻は午前3時3分。日本で言えば「丑三つ時」ですね。
このシーン、前回も出てきましたよね。
ネリーが死ぬ前に、シャーリーが見た夢と全く同じシーンです。
よって、今回の第2話はネリーが死ぬ前の時点から、シャーリーにスポットを当てて物語を描くのだなということがわかります。
シャーリーは、子供のころから寝言を言う癖があったけど、それが大人になっても続いているのかもしれませんね。
ですが「ネリーが赤の部屋にいる!」という寝言の後にネリーが死んだとなると、シャーリーは何らかの予知夢を見るパワーを持っているのでは?とも考えられます。
あと、気になるのが「赤の部屋」というワード。
第1話では、マスターキーを使っても開かない「開かずの間」が出てきましたよね。
ヒルハウスの「開かずの間」。それこそが「赤の部屋」なのではないでしょうか。
そして「赤の部屋」に入ってしまった者は死んでしまうのでは…?
一家の母も、ネリーも、この部屋に入ってしまったことで命を落としたのでは…?
ヒルハウスにはどんな恐ろしい秘密があるのか、全貌は明らかになっていませんが、いろいろと想像が膨らみますね!
■納棺師・シャーリー
翌日。
葬儀社で働いているシャーリーは、亡くなったおばあちゃんの葬儀を明日に控えている家族のところにいました。
相変わらず、おばあちゃんのことを怖がっている男の子。
「おばあちゃんが死んじゃったのは分かってるけど、夜には僕の部屋に来てベッドに座るんだ」
「指が紫で、歯が抜けていて、髪の毛が全部無かった。もうあんなおばあちゃんには会いたくないよ。」
そう言って、お葬式で棺の中のおばあちゃんに会いたくないとこぼします。
それを聞いて
「あなたは、病室でかつらをかぶっていないおばあちゃんを見たり、入れ歯を外したおばあちゃんを見たことがあるんじゃないかな。病院で苦しんでいたおばあちゃんのイメージを、お葬式で塗り替えることができるのよ」
となだめるシャーリー。
シャーリーの仕事の1つが、遺体の復元作業でした。
遺体をお風呂に入れ、綺麗な状態を保てる薬を注入。
故人のお気に入りの服を着せ、最後にもとの故人らしく見えるように化粧をする。
「元気なころのおばあちゃんの姿を見せることができるわ」
そう言って、シャーリーは男の子を勇気づけました。
10年ほど前に「おくりびと」という日本映画がヒットしましたが、それに似たような仕事内容ですね。
シャーリーは「納棺師」として働いているのですね。
■何かがおかしい「ヒルハウス」
場面は変わって、回想シーン。
ヒルハウスに住んでいたころ、母は「間取り図」を書いていました。
母は、家族みんなで暮らす「永遠の家」を夢見ていたのです。
ヒルハウスについては、修繕を終えたら誰かに売却して、その後に「永遠の家」を建てようと考えていました。
その後、ネリーと外に遊びに行くことにしたシャーリー。
外で本を読んでいたテオを、ネリーは「ティーパーティー」ごっこに誘いますが、断られてしまいます。
(テオは、子供のころからちょっとクールだったんですね)
ルークも、外で一人遊びをしていましたが、その途中で森の中に女の子の人影を見つけ、手を振ります。
(第1話でも、ルークがツリーハウスの中で、森の中の女の子の絵を描いていましたね。ルークは“見えてしまう”タイプの子なのかも?)
一方そのころ、一家の父親は
「マスターキーで開かない部屋があったけど、他の鍵は無いの?」
と大家のダドリーさんに尋ねていました。
しかし、ダドリーさんは
「あそこの鍵は無いよ」
とだけ答えます。
やっぱり「開かずの間」はなんだか怪しいですね!
シャーリーは、外にいる兄弟たちをポラロイドカメラで撮って回っていました。
そのうち、森の中の墓地にたどり着いたシャーリー。
墓地でも写真を撮ります。
(墓地で写真を撮ろうなんて普通思わないですけどね!こういう、違和感のあるシーンがちょこちょこあって、怖いなあ)
シャーリーは、墓地の近くに古びた小屋を見つけました。
気になって中に入ってみると、中はがらんとした物置。
その隅っこには、数匹の子猫がいました。
シャーリーは近寄って子猫の写真を撮りますが、カメラのシャッターを切り、フラッシュが光った一瞬の間に見えたものに驚き、怯えました。
まるでミイラの顔のようなものが見えたのです。
父とダドリーさんに助けを求めたところ、それはミイラではなくスズメバチの巣だったことがわかりました。
物置にあった仮面を芯のようにして、ハチが巣を作っていたのです。
怖いものではないことがわかり、安心するシャーリー。
しかし、子猫の周りに母猫がいないことを心配します。
「犬が来て危ないかも」
そう不安がるシャーリーに
ダドリーさんは
「この辺に犬はいないよ」
と答えます。
しかし父は
「子供たちが毎晩鳴き声を聞いているんだけど…」
と一言。
ダドリーさんは
「夜は敷地内に居ないからわからないけど、犬を見かけたことはないよ」
と、再度“犬はいないはず”と話します。
…じゃあ何の鳴き声なの!!!!怖いよ!!!
・森の中に、謎の女の子を見たルーク
・すぐ近くに墓地がある
・犬はいないはずなのに、夜になると鳴き声がする
など、ヒルハウスではおかしなこと・怖い要素がてんこ盛りだということが端々から見えてきますね…。
■シャーリーの家庭不和
場面は変わって現在。
シャーリーの息子・ジェイデンは、シャーリーから買い与えられたハロウィン用のマスク工作セットに不満をこぼします。
「工作セットじゃなくて衣装がほしいんだ。友達も、マスクがしょぼいと幽霊に見つかって追いかけられるって言ってた」
そう言ってむくれる息子に
「幽霊なんて存在しない。2階へ行って、ここは仕事場よ」
と仕事場から追い出すシャーリー。
シャーリーのそばには、家の模型が。
シャーリーも亡き母のように「永遠の家」を夢見ているのでしょうか?
余談ですが、ジェイデンが「僕はすぐデアデビルになりたいのに!」と言っていたのが、
(デアデビルも、Netflixドラマだもんね)とちょっとニヤリとしました。
息子がちょっぴり反抗期なことのほかにも、シャーリー一家には不安要素がありました。
経営する葬儀屋が、ギリギリ黒字の綱渡り状態だということです。
葬儀屋は、シャーリーが実務担当、夫のケヴィンが経理担当をしていました。
しかし、シャーリーがまるで“施し”のごとく気まぐれで値引きばかりしているので、利益が得られていなかったのです。
そのことを夫から指摘され、少し言い争いになる二人。
そこに、来客が。
おばあちゃんの葬儀を控えた一家の父親が、故人の遺品が入った箱を持ってやってきたのです。
箱をぼんやりと見つめたまま、来客対応をせず立っているシャーリー。
(なぜシャーリーが“箱”を見てぼんやりとしてしまったのかは、あとで何となくわかります)
それを見かねて、ケヴィンが顧客を別室まで連れて行きました。
二人が去った後の部屋のソファーを見ると、そこには一人の男が座って何か飲み物を飲んでいました。
それを見て「そんな…」と目をそらすシャーリー。
しかし、再び目をやると男は消えていました。
このシーン、何回か見直したんですけど、この男が誰なのか分からないんですよね…。
なんなんだろう…。
その後来客対応を終えて、箱を持って戻ってきたケヴィン。
「ネリーと連絡取れた?」
そうケヴィンから心配され、
「いいえ。でも兄さんが確認してくれて、ルークは施設にいるってわかったわ」
と答えるシャーリー。
ルークについては第1話から
・施設にいる
・リハビリ
・お金をせびりに来る
などのワードが出てきているものの、全貌がまだ明らかになっていませんが…。
彼がどういう状態なのか、それはこの後のシーンで明らかになります。
■ルークが施設にいる理由
6年前。
シャーリーとスティーブンは、ルークの施設費の件で、施設のスタッフと話をしていました。
ルークの保険が数か月前に失効していたせいで、1ヵ月に6,000ドルもの費用が必要になることに。
しかも、半年ほど入所をして、リハビリをする必要があると言います。
(保険が失効した…というと、ルークが何か月も保険料を滞納していたことが推察できますね。相当お金がないのでしょう。)
高額な費用に驚きつつも
「費用は兄弟で分担して払うわ。弟のためよ」
「1カ月分はすぐ、2週間後にまたこちらに伺ってなんとか追加で支払います」
と腹をくくるシャーリー。
この頃はまだ、スティーブンは“売れない作家”だったので、妹に費用を負担してもらったことに対し申し訳なく感じていました。
しかし
「いいのよ、有名な作家になったら返して」
とだけ伝えるシャーリー。
スティーブンは
「期待しないでくれ。歴史小説は時代遅れだ。」
と返します。
もともと、スティーブンは歴史小説を書いていたんですね。
でも長いこと売れなくて、ついに自分たちの過去である「ヒルハウス」のネタを持ち出し、シャーリーとは険悪な関係になってしまう…というわけか。
入所手続きが済み、ルークは尿検査を受けることに。
「もしまだクスリが…」
と不安がるルークに
「残ってても大丈夫です、今の状態を見るだけです」
と施設スタッフが話します。
このやりとりから“ルークは、薬物依存に悩まされている”ということがわかりましたね!
しかも、入所したのが6年前で、現在も施設にいるということは、かなり重度だと考えられます。
また、スティーブンやシャーリーが「ルークは施設にいるのかどうか」を確認していたことから、彼はこの6年の間に、たびたび施設を抜け出すことがあったのでしょう。
6年前のシーンで、兄弟全員がルークとハグをし
「みんなで応援しているわ。信じているからね」
「連絡してくれ」
「大丈夫だよ」
と声をかけていますが、この後そううまくは行かないんだよ…というのが分かっていると、やるせなく感じられるやりとりですね。
■パイプの音
場面は変わって現在。
シャーリーは、ケヴィン名義の通帳を発見。
その後、夫婦と子ども二人、テオの5人で食事をします。
ここでも息子は反抗期ですが、娘はテオになついているようですね。
テオが手袋をして食事をするのを、娘も真似していました。
(テオは潔癖症だから、食事の時こうするのですね)
食事のあと、シャーリーは夫名義の通帳を発見してしまったことについて、テオに相談します。
「夫婦名義の通帳しか持っていないはずなのに…でも騒ぎ立てたくない。きっと何でもないけど、引っ掛かるのよね」
と思い悩むシャーリーに
「じゃあまずは最悪の事態を思い浮かべて、本当だとみなしてみればいい」
とアドバイスするテオ。
シャーリーとテオですが、子供のころ二人はまさに“最悪の事態”ともいえるような恐怖体験をしていました。
それが「パイプの音事件」です。
シャーリーは、小屋で見つけた子猫5匹を飼うことにしました。
ミルクをやって、甲斐甲斐しく世話をします。
夜になると、ヒルハウスの周りには犬の鳴き声が轟いていました。
(ダドリーさん、犬なんていないって言っていたのに…やっぱり鳴き声するじゃん!)
すると突然、テオがシャーリーの寝室に入ってきて
「壁をドンドン叩いたり、私の名前を呼んだり、いったい何なのよ!」
と怒りました。
シャーリーは全く覚えがありません。
テオが怒っているのを尻目に、外から聞こえる犬の鳴き声が気になるシャーリー。
(そりゃ、近くにいないはずと言われた犬の鳴き声がしていたら、気になってしまいますよね)
「また犬だ…」とボソリとつぶやいた彼女に対し
「わざわざ呼んでおいて、くだらない犬の話をするなんて何なの?」
とさらに怒るテオ。
しかしテオの誤解はすぐに解けることとなりました。
二人が話している間にも、壁がドンと鳴ったのです。
怯える二人。
その後、怪奇音はどんどんエスカレートし、家具がガタガタと揺れ始めました。
「助けて」
とパニックになるテオを、抱きしめるシャーリー。
しばらくすると、音は止みました。
悲鳴を聞きつけて
「どうしたんだ?」
と駆け付けた父。なんと、彼にはあの大きな音が聞こえていなかったようです。
怯える二人に対し、父は
「信じるよ、そうか、わかったわかった。それはきっとパイプの音だろう、給湯管が古いから壁の中でガタつくのさ。ほら、もう収まっただろう。」
となだめます。
(第1話冒頭で、首折れ女に怯えるネリーをなだめるときもそうでしたが、本来の父は怪奇現象を信じない人間だったんでしょうね。しかし、母の事件をきっかけに信じるようになった…と考えられます)
「もう収まっただろう」
となだめる父は、なぜか同じ言葉を壊れたテープレコーダーのようにリピート。
そして見る見るうちに父の顔が歪み、声が低くなって…
…と、ここで「パイプの音!」と叫びながら飛び起きたシャーリー。
なんだ~夢か~~!
しかし、顔が歪むのって怖いですよね…。
個人的にトラウマになっているホラー映画は「呪怨」なんですけど、その中でもテレビの中のお天気お姉さんの顔がいきなり歪むというシーンがあって、それを小学生くらいの時に見てしまい、心底怯えたという思い出があります(笑)
■ネリーの死
悪夢を見て飛び起きたシャーリー。時刻は夜中の2時でした。
するとそこに、スティーブンから電話が。
(もしやシャーリー、何かが起きていることを察して飛び起きたのでしょうか…?)
スティーブンからの電話は、ネリーの死を知らせる内容でした。
その知らせを聞いて、ショックを受けるシャーリー。
「死ぬ直前に声を聴いたのは父さんだった。ネリーから電話したらしい。」
そう話すスティーブンに
「ネリーはパパに電話なんてしないわ。またパパだけ真相を知っているなんて…」
と指摘するシャーリー。
そしてスティーブンに対し
「だから言ったでしょ、ネリーはすごく不安そうな声だったって。探してほしいって言ったじゃない」
と怒りをぶつけました。
そうですよね、もしシャーリーがスティーブンに頼んだ時に、彼がきちんとネリーを探してフォローしていたら、こんなことにはならなかったかもしれないですもんね…。
■シャーリーのトラウマ
子供のころのシャーリーは、小屋で見つけた5匹の子猫を飼っていましたが、その中の1匹は死んでしまいました。
死んでしまった子猫を、両親と一緒に庭に埋めることに。
母は
「この子は特別な猫だから、棺が必要でしょ」
と言って、小さな箱を飾り付けて棺を作ってくれました。
「生き物はみんな、死んだあと思い出話に変わる。その話をするたびに、その人が思い出される。みんないずれ思い出になるの」
母はそう話して、シャーリーに追悼の言葉を話すように促します。
子猫の遺体を抱きながら思い出を述べ、追討をしたシャーリー。
ですが突然
「この子生きているわ、ほら、口が動いている」
と言い出します。
もぞもぞと動く子猫の口元。
なんとそこからは、虫が這い出てきたのでした。
シャーリーは悲鳴を上げ、驚きました。
…葬儀社を訪れたお客さんが持っていた小さな箱を、シャーリーがぼんやりと眺めるシーンがありましたよね。
それって、この「子猫の棺」を思い出してしまったからなんじゃないでしょうか。
子どもの頃、初めて“死”に触れた経験って、ずっと残りますもんね。
■「私がやる。ネリーをきれいにする」
「ネリーの遺体を自分の葬儀社で引き取り、葬儀も自分が仕切る」
と息巻いているシャーリー。
ケヴィンは「やめたほうがいいんじゃないか、他の人に任せようよ」と心配し、
テオも「兄さんとかパパとか、みんなを待たないの?」と問いかけます。
しかしシャーリーは
「パパは元凶だし、ルークは施設から脱走したらしいから居場所がわからないし、今頃ラリってるわ」
と、二人を葬儀に呼ばない考えのようす。
(“元凶”って何!?)
テオは
「でも葬儀に出る権利はあるわ。どうして待ってあげないの。ルークは、ネリーの結婚式にも出られなかったのよ」
と食い下がりますが
「ルークを待っていたら、ネリーは安置所から出られないわ」
と、シャーリーは粛々と準備を進めるつもりのようです。
その後、例の一家のおばあちゃんの葬儀が執り行われました。
男の子はやっぱり、葬式をやりたくないと不安がっています。
そんな男の子に
「やめたら後悔する。ねえ信じて、これは良いことだし、あなたはいい子。ちゃんとやれるわ。私が一緒に行ってあげるから」
と手を引いてあげるシャーリー。
彼女自身も、母の葬儀の際に同じような経験をしていました。
クレイン家の母の葬儀。
シャーリーは母の遺体を「見たくない」と拒否していました。
「大丈夫だよシャーリー。大事なことなんだ、ネリーだってそばに行っている」
父にそうなだめられても、嫌がるシャーリー。
そんな彼女に
「大丈夫だよ、ほら一緒に行こう」
と声をかけ、手を引いて行ってくれたのは、葬儀屋の男性でした。
この経験があったから、シャーリーは葬儀屋という職業に就いたのかもしれませんね。
ネリーの葬儀だけでなく、遺体の復元まで自分でやると言い出したシャーリー。
夫であるケヴィンは「いくらなんでも辛すぎるだろう」と止めますが、シャーリーは
「私がやる。ネリーをきれいにする。」
の一点張りです。
いやー…ほんと、ケヴィンの言うとおり家族の遺体の復元作業をやるなんて、いくらなんでも辛すぎですよね。
でも、シャーリーからしてみれば、大事な妹のことだからこそ自分がやりたいと考えたのかもしれません。
そして、遺体が到着。
テオは「私には無理、耐えられない」と立ち去ってしまいました。
ネリーの遺体を包んでいる布を取り、復元に一人で取り掛かるシャーリー。
遺体の顔には斑点のような傷がたくさんついていました。
場面は変わって、回想シーン。
子猫を1匹亡くしたあとも、シャーリーは残りの子猫の世話を続けていました。
ネリーと一緒にミルクをやろうとすると、子猫が動きません。
慌ててシャーリーが抱き上げると、鳴き声をあげる子猫。
ほっと安心したのもつかの間、なんと子猫は白目をむきました。
悲鳴をあげるシャーリー。
…おそらく、最初の1匹のことがトラウマになって、こういった幻覚を見るようになっていたのでしょうか?
シーンはまた現在に戻り。
スティーブンは、依然としてルークを探しているもよう。
そんな彼に、シャーリーは
「こっちはネリーを復元している最中なのよ、そっちは父さんとルークを連れてくるだけ、簡単でしょ。すぐにこっちに来て」
と苛立ちをぶつけます。
シャーリー自身がネリーの復元処置をしていることに、驚くスティーブン。
彼の妻も「うそでしょ」と唖然としていました。
■色の嵐
シャーリーが子供のころに飼っていた子猫は、結局5匹のうち4匹が死んでしまいました。
そして、最後に残った1匹についても、母が
「里子に出した」
と言いました。
それを聞いて
「私じゃダメだったの?お別れもしていない」
とショックを受けるシャーリー。
母は
「原因はわからないけど、子猫たちは病気だった。あなたに病気のペットを世話させるわけにはいかない」
と理由を話しましたが
「それでほかの人にあげたの?そんなの信じられない!なんで最後の1匹だったのに人にあげたの?」
とシャーリーは質問攻め。
次々に言葉を浴びせられた母はうろたえて
「お願いよ、黙って!」
と叫びました。
母はこのとき“色の嵐”に襲われていたのでした。
母はたびたび、このような“色の嵐”に襲われるようです。
「今回はまるで花火のようだけど、まったく色が無くて真っ黒で、今までにない速さで襲ってきた」…と。
そして、子猫たちの死の一件でシャーリーの死生観が歪んでしまったし、彼女が深く傷ついていることを母は心配していました。
そして、夫がシャーリーに、病気の子猫を5匹も部屋で飼わせたことを責め、
自分もシャーリーにきちんと話をして安心させることができなかったと、悔いました。
この「色の嵐」、ただの片頭痛なのかもしれませんが、母にだけ見える特別なビジョンか何かなのかなとも考えられて、なんだか引っかかる表現ですよね。
クレイン家の面々は、こういったスピリチュアルな感覚がある人が多い気がします。
■“死”と向き合うこと
ネリーの遺体への処置を進めるシャーリーですが、なんと部屋のすぐそばに子どもたちが。
子どもたちは「処置室には来てはいけない」と言われていましたが、叔母であるネリーが亡くなったので気になって来てしまったのでした。
そんな子供たちに、きちんと向き合うシャーリー。
「そうね。気になるし悲しいのよね。私も悲しいわ。言葉にならないくらい。」
と彼らに共感したうえで、
「何が知りたい?正直に話す。どんな疑問を持つのも自然なことよ」
と、子どもたちの疑問に答えます。
「今なにしてたの」
という問いに対しては、ストレートに「防腐処置よ」と答え、
「なんで死んだの」
という問いに対しては
「分からない。でもネリーおばさんはあなたたちを愛していたわ」
と答えました。
「死んだらどこに行くの」
そう問われたシャーリーは
「誰にも分からない。明日にでもママの気持ちを話すね。気になるだろうけどこの中は見せられないの。ママの仕事についてはまたいつか話すわね。」
そう言って、子どもたちにネリーの写真の中から好きなのを選ぶように伝えました。
葬式で使うから、と。
子どもたちは素直に聞き入れ、処置室のそばを後にしました。
シャーリーも子供のころ、亡くなった子猫たちの写真を眺めながら、自分なりに死と向き合った経験があったのでした。
(余談ですが、子供のころの部屋にダッフィーのぬいぐるみがありましたね!ディズニー好きとしてはどうしても反応してしまいました)
この、シャーリーと子どもたちのやりとりって、クレイン家の両親がシャーリーにとっての「“死”の初体験(=子猫の死)」の時にきちんと向き合えなかったことと“対比”のような関係になっているシーンですよね。
両親は、シャーリーが身近な者の死を体験したとき、きちんと向き合ってやれなかった。
一方で、大人になったシャーリーは、身近な者の死を体験した子どもたちに対して、まっすぐに向き合った。
自身の子供のころの経験があったからこそ、こうしたのでしょうか。
■姉妹の絆
遺体の復元処置を続けるシャーリーは、ネリーの顔に化粧を施していました。
処置をしながらシャーリーは、ネリーの結婚式のことを思い出します。
ネリーの結婚式の時、シャーリーは彼女に化粧をしてあげたという思い出があったのです。
式を目前に緊張するネリーに
「とてもすてきよ。あなたが幸せで嬉しいわ」
と声をかけながら化粧をするシャーリー。
部屋に入ってきたスティーブンも、ネリーの晴れ姿に
「すごくきれいだ」と太鼓判を押します。
「人気作家が式に出てくれるなんてよかったわね」と嫌味を言うシャーリーに
「今日は仲良く」と言うネリー。
このときはもう、スティーブンは売れっ子作家だったのですね。
その後シャーリーは、窓の外にルークが見えたので部屋を飛び出します。
「俺は平気だよ。お祝いを言いたくて来たんだ」
そう話すルークを、シャーリーは様子がおかしいと感じていました。
「彼が脱走した」と、先週施設から連絡が来ていたからです。
クスリを使った状態だと思われるルークに対し
「晴れの日をぶち壊さないで。100ドル上げるからこれで帰って。お金を貸すのはこれが最後。治療費も払わない。もうこれっきりよ」
と言って追い返したシャーリー。
このことを、他の兄弟は知りませんでした。
だからテオも、前のシーンで
「(ネリーの葬儀について)どうしてルークを待ってあげないの。彼は、ネリーの結婚式にも出られなかったのよ」
と言っていたんですね。
本当は、彼が式に“出られなかった”のではなく、シャーリーが彼を式に“出させなかった”のに…。
しかし、シャーリーは愛する妹の結婚式を完璧なものにしてあげようと考えたからこそ、彼を追い返したのでした。
結婚式のことを思い出し、ネリーの遺体を見ながら涙を流すシャーリー。
このシーンは見ていて辛かったですね。
妹の晴れの日に化粧をしてあげた思い出と、その妹の遺体に化粧を施しているという現実。
シャーリーの立場になって考えてみると、胸が締め付けられるような思いがしました。
■ホラーと切なさの挟み撃ち
ネリーの遺体を見ながら、涙を流すシャーリー。
すると、死んでいるはずのネリーの口元がモゴモゴと動きます。
なんと彼女の口の中からは、虫が這い出てきたのです。
…そう、あのときの子猫のように。
驚いて後ずさりするシャーリー。
再びネリーの方に近づきますが、虫などいませんでした。
シャーリーは、声をあげて泣きました。
さっきまで「姉妹の絆」について考え、胸がギューっとなっていたのに、その直後にびっくりさせられるようなシーンが続いて、感情が忙しい!笑
ホラーと、人間ドラマとのバランスがうまいなあと感じさせられました。
場面は変わって、回想シーン。
母の葬儀で、葬儀屋の男性に手を引かれて、母の遺体を目にしたシャーリーは驚きました。
母の遺体が、とてもきれいになっていたからです。
「綺麗になってる…」
そうこぼすシャーリーに
「これが僕の仕事だよ」
と話す葬儀屋。
時は経ち、シャーリー自身も葬儀屋の仕事に就いて、ネリーの遺体を彼女自身の手で綺麗にしたのです。
ネリーに化粧をする際にモデルにしたのは、彼女の結婚式の際の写真でした。
そう、シャーリーが彼女に化粧をした、あの結婚式のときの写真です。
これ、めちゃくちゃ切ないシーンでしたね!
…と感慨にふけたのもつかの間。
またホラーシーンがやってきました。
何かい、このドラマはジェットコースターなのかい?笑
遺体の復元を終えたシャーリーは、電気を消して部屋を出ようとしますが、なぜか部屋の中に遺体が2つ見えました。
そこにあるはずの遺体は、ネリーだけのはずなのに…。
もう1つの遺体。それはボロボロの母の姿でした。
あのときの子猫の棺を持って、白目をむいている母。
すると、棺ががたんと開き、そこから子猫の鳴き声が…。
シャーリーが驚いて電気をつけると、母の姿は消えました。幻覚だったのです。
シャーリーは再び電気を消し、処置室を後にしました。
その後、ネリーの結婚式のときの写真を眺めるシャーリー。
その姿はまるで、子猫を亡くした時にその写真を見ていた、子ども時代のシャーリーと重なるようでした。
…とここで、第2話は終了です!
「パパが元凶」ってどういうことだろう?
ホラーシーンあり、姉妹の絆あり…と、感情が揺り動かされましたね。
と同時に、気になるワードもいろいろ出てきました。
特に気になったのは、シャーリーが言っていた
・ネリーはパパに電話なんてしないわ
・パパは元凶
という言葉です。
これって、父が何かやらかしてしまったせいで、母が死んでしまった…と考えられますよね。
今回の話の中で、父が大家のダドリーさんに対し、“開かずの間”の鍵について尋ねるシーンがありました。
ダドリーさんは「あそこの鍵はない」と言っていましたが、もしかしたら父がその後鍵を見つけ、開かずの間(=おそらく“赤の部屋”)の封印を解いてしまったせいで、母が亡くなってしまったのでは…と推測します!
そうなると、シャーリーのセリフも納得できます。
母を亡くした原因が父にあるなら、子どもたちは誰も父に連絡しようとは思わないですもんね。
また、父は現在一人寂しく暮らしているようでしたが、それも子どもたちから距離を取られているからでは…?とも考えられます。
一言で「ホラー」ドラマとしては括れない、切なくもあり、美しくもあり、謎一杯で気になるところもあり…と続きが見たくなるドラマだなあと改めて感じました!
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ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス シーズン1第3話あらすじ&ネタバレ感想