Netflixで配信中のドラマ「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」。
今回は、ついにクレイン家の面々が久々に一堂に会します。
長回しのカメラワークなど、独特の演出もとても魅力的でした。
ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス第6話「嵐の二夜」あらすじ
ひどい嵐の晩。ネリーの葬儀を前に、シャーリーの葬儀社に集まるクレイン家の面々。久々に顔を合わせたものの、ネリーの死についてなどをめぐって口論になってしまう。
父は、ヒルハウスでも同じような嵐の晩があったことを思い出す。その日は、ネリーが突然姿を消すという事件が起きていたのだった…。
ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス第6話のネタバレ&感想
■クレイン家、久々の再会
シャーリーが営む葬儀社。
ネリーが命を落とし、シャーリーとケヴィンは葬儀の準備をしていました。
棺の中のネリーを見て
「映画では眠ってるみたいとかいうけど、そうは見えない。死んでる。」
とこぼすテオ(悲しみに耐えるためか、昼からずっと酒を飲んでいる)。
葬儀場には、クレイン家全員が集うことになっていました。
「よく見張っておかなきゃ。妹の遺体に吐いたりしたら最悪」
「念のためサイフは隠したほうがいいかもね」などと警戒するテオとシャーリー。
「お願いルーク…ぶち壊しにしないでよ。ネリーは家族全員を一か所に集めようと長いこと頑張ってたんだから」
と言うシャーリーに、テオが
「こんなに頑張らなくてよかったのに」
と返したのはあまりにも悲しい皮肉でしたね。
ネリーの結婚式のときは、ルークが薬物を使っている状態だったので、彼はシャーリーに追い返されてしまい、家族全員が揃うことは叶いませんでした。
それが、ネリーが死んだことによりそれが叶うことになろうとは…。
そこへチャイムが鳴り、ルークとスティーブンがやってきました。
父は彼らとは別にやってくるようす。
ルークは、遺体を見て呆然としたあと「すまない、俺にはこんなの無理だ」と立ち去ってしまいます。
過呼吸になってしまうルークを「焦らなくていい、大丈夫だ」となだめるスティーブン。
そんなスティーブンに「リー(妻)は一緒に来ていないの?」とテオが問います。
「一緒に来てない。今は距離を置いているんだ」
とやんわり“察してくれ”とでも言うように答えるスティーブンでしたが、テオは
「距離を置いているってなに?」
「別居してるってこと?」
と、なぜかテオはつっかかります(酔って絡んでいるのか?)
「それは今話すことか?」とスティーブンはピリピリ。
その後、ルークは覚悟を決めて再度ネルの遺体のもとへ。
スティーブンとテオもついていきます。
遺体を目の当たりにし、気が動転してしまうスティーブン。
ルークも「こんなのやりきれない、クソ」と、行き場のない憤りを覚えます。
「飲むしかないよ」というテオについていき、棺がある部屋を出る一同。
スティーブンだけがその場に立ち尽くしていましたが、彼が棺のほうを振り向くと、なんと棺のそばには一家の母の亡霊が…。
「しっかりしろ俺」と自らの目を疑うスティーブン。
しかし再び振り向くと、母の亡霊はより近づいてきていました…。
ところどころで、母の亡霊が子供たちの前に現れますよね。
まるで向こう側の世界にいざなおうとしているように見えるんですが、果たして…。
■父との軋轢
その後、兄弟たちはネルの最期について話をします。
彼女が「自殺した」という事実に、疑問を感じるルーク。
ネリーはそもそもなぜあの家に行ったのか?
あのころまだネリーはまだ6歳で、家での記憶はほとんどないはずなのに…。
シャーリーは
「パパはダドリーおばさんから何を聞いたのかしら」
と話をスティーブンに振ります。
スティーブンとルークは、父といっしょにここへ向かってきていたはずですからね。
しかしスティーブンは
「知らない。聞いたと思うか?ずっと機内にいたけど一言も話してない」
「というか、乗る前から父さんとは話をしていない」
とだけ答えました。
父は「どうしても飛行機代は自分で出す」と聞かず、一人エコノミークラスの席に。
スティーブンとルークは父とは別で、ファーストクラスの席に乗ってきていたのでした。
この事実だけで、子供たちと父がかなりギスギスしていることがわかりますね…。
今までのエピソードでも、父に対して毒づくような、不信感を持っているような子供たちのセリフやシーンがところどころに出てきましたもんね。
ヒルハウスで母が死んだあの日、そこで何があったのかを知っているのは父だけなのに、父は本当のことを話そうとしない。
そしてあろうことか、自分たちを叔母にあずけた。
一連のことが原因で、子供たちは父を信頼しておらず、溝ができてしまったのでしょう。
(余談ですが、兄弟たちが話しているこのシーンのカメラワーク、まるで見ているこちらもその場にいる気になるような撮り方でしたね。舞台を見ているような感覚を覚えました)
そんなとき再びチャイムが。父が葬儀社に到着しました。
外はどしゃぶりの嵐です。
「すまない遅くなって」と謝る父に、当たり障りない会話をする子供たち。
(ここのカメラワークも独特でしたね。カメラがぐるりと回り、父には子供たちが「子供のまま」の姿で見える。
再びカメラがぐるりと回ると、今度は子供たちが「大人の(現在の)」姿で立っている。
「しばらくぶりだね」と言うテオに、父が「“しばらく”以上だよ」と返すことから、子供たちと父が長い間会っていないことがわかります。
父には子供たちが、あのころのままの姿で見えている=父にとっては、あのころのまま時間が止まっていた=ということなのかなと感じました。)
しばらくぶりに会ったので、距離感がなんとも居心地が悪く、会話に困る面々。
父は
「言葉が出てこないよ。みんなが揃っているのを見て…こうして集まった理由がこんな…残念だ。みんなすっかり大人になって驚いた」
と、どこか要領を得ない感じでまごまごと話し続けました。
(何やら落ち着かない様子?)
そんな父の様子を見て
「ああ、感動的だな。明日の弔辞に使えよ」
と、軽蔑したようすのスティーブン。
スティーブンは兄弟の一番上ですから、自分たちを放置していき、さらに母の死因について頑なに教えようとしない父を特に恨んでいるのでしょう。
「ネルの顔みる?」とシャーリーに促され、棺の方へいく父。
父には、棺の中のネリーが子供の頃の姿で見えていました。
「シャーリー、おまえいい仕事をしたな。とてもきれい。薄化粧なのがいいね。お前に感謝したい。綺麗にしてくれて。その…トイレはどこかな」
と、再度まごついた様子で話し、葬儀社(兼シャーリー宅)の中を移動します。
ここのカメラワークもまるでなめるような撮り方で、父と一緒に屋敷の中を移動しているかのような感覚に陥りました。
■ヒルハウスでの嵐の晩
と、そこからシームレスに回想シーンへ。
ヒルハウスでも、嵐の夜だったことがありました。
その晩は、ホールのシャンデリアが落下。
それに驚いて、一家の父、母、子供たちはホールに集まります。
嵐におびえるネリー。
外は雷が絶えず鳴り響き、雹も降っていました。
母がネリーに雹について説明し、彼女をなだめていると、とても大きな雷の音が。
「部屋の窓が割れた。まるで石がぶつかったみたいにガラスの破片が散らばってる」
とシャーリーがホールに降りてきたので、父とスティーブンで様子を見に行くことになりました。
母はネリーに
「雷が光ったら数を数えましょう。音が鳴るまでの秒数が大きいと、雷は遠くにいるわ」
と教え、二人で数を数えますが、その後雷の影響なのか屋敷が停電。
子供たちはパニックになり、両親はなだめます。
その騒ぎの中、ネリーは怯えて一人で屋敷をうろつき
「首折れ女だ!見えたよ、あそこの彫像のところ、また出た…」
とパニックに。
「ママにもときどきここにいる人たちが見えることがある。でも彼らは何もしないわ」
となだめる母。
お母さんには、何が見えているんですかね!
怯えるネリーと手をつなぎ、安心させようとするテオ。
両親とスティーブン、ルーク、シャーリーは、みんなで懐中電灯に電池を入れる作業を行います。
しかし、みんなで話しているうちに、突如として姿を消してしまうネリー。
「ここにいてずっと手を握ってたのに…本当だよ、手を握っていたの」とテオは動揺。
「嵐が怖くて自分の部屋に戻ったのかも」と、両親、テオ、シャーリーはネリーを探します。
ここで、ルークが「誰かにさらわれたのかも」と言っていたのが意味深でしたね。
ルークには、屋敷に棲んでいる者たちが見えるようですから、そういった何かにネリーがさらわれたのではと考えたのではないでしょうか。
不安がるルークをなだめるスティーブンは、とてもお兄ちゃんでしたね。
「ネリーはだいじょうぶさ。僕がお前たちみんなを守るからさ。それが役目だ。お兄ちゃん、学校で習ったんだ。僕がついているから心配ないよ。いいねルーク」
と話すようすから、スティーブンはやっぱりなんだかんだでずっと弟や妹思いのお兄ちゃんなんだろうなあと感じました。
…超常現象を信じようとしないカタブツな面とか、家族への心配の仕方がぶっきらぼうでヘタすぎる面はありますが(笑)
■深まる溝
場面は戻って、現在。
クレイン家の面々はネリーの棺の前で、彼女の思い出話をします。
しかしその中で父が話したエピソードがきっかけで、家族の間の溝がさらに深まることに…。
父は
「ネリーは自分のことよりも、家族のことを考えるやさしい子だった」と、彼女がサンタクロースに充てた手紙のエピソードを話し、続けて
「あの子は良く手紙を書いてたよ。ネルは大人になっても月に一度必ず私に手紙をくれた。お前たちの良い話を私に知らせてくれた」
と話しました。
そこに食って掛かったのがスティーブン。
「ネリーが毎月手紙をくれたって言ったな。助けを求めてたとか、精神状態とか、気づくことはできなかったのか?」
「父さんは自殺が絡むと知ってることを隠したがる。話してないことがあるんじゃないのか?」
と父を責めたのです。
父は
「その話、いまするのか」
と話そうとしなかったものの、
「みんな知りたがっている。答えてくれないと疑念が膨らむだけだ」
と言うスティーブンに折れて、彼の
「ダドリーおばさんは電話でなんて言っていたんだ」
という質問に対し
「彼女は警察に通報したあとすぐに電話をくれた。まず車が止まっているのに気づいて、中に入るとあの子が首をつっていたと。図書室の螺旋階段からね」
とだけ答えました。
父は、先月のスティーブンのサイン会での騒ぎ(ネリーが彼を罵った)事件については知りませんでした。
その時の様子について
「ネルらしくない、どう見てもおかしかった。明らかに処方薬を飲んでいなかった様子だった。」
と振り返るスティーブン。
その後、ネリーから電話がかかってきたときスティーブンとシャーリーは出られなかったものの、父だけは彼女と通話をしていた事実を知ります。
「あの子は、ルークよりも心配なことがあった。首折れ女が戻ったと言っていたんだ」
と話す父に、呆れるスティーブン。
「ほらな、ネリーは心を病んでいた。父さんがヒルハウスの妄想話を信じさせた結果がこれだ。全部父さんのせいだ。」
「母さんのときみたいに見てみぬふりで、自分のせいなのに真実を語らない!」
そう言って父を責めるスティーブンに
「真実を話さないのはお前たちを守るためだ!」
と反論する父。
「なんでそれが守ることになるんだ。」
とスティーブンが問うと、父の様子がどこかおかしい。
まるで誰かに話しかけるように
「いいやいいんだ。こいつには当然の権利があるんだから」
と、下の方に目線をやってブツブツと話したのです。
このようすに、スティーブンの怒りはヒートアップ。
しかしそんな彼に、シャーリーが横やりを入れます。
「自分のことも考えてみてよ。そんなこと言える立場なの?
だれよりも妄想話を利用して人気作家になったのは兄さんよ。
ネルの棺を前に真実がどうどか言わないでくれる?汚いお金を手にして満足でしょ」
だんだんと怒りをあらわにするシャーリーをテオは制止しますが、シャーリーは
「あなたは飲み過ぎよこんなときに!みっともないわよ」
とテオに八つ当たり。
この態度にブチ切れたテオは、なんと自らがスティーブンから印税をもらっていたことをカミングアウト。
(テオ、シャーリー宅に居候させてもらってるのに、自らバラしちゃっていいのか!?酒の勢いなのか!?!?)
「私は良いお金だと思っている。受け取らずにいられるのは頑固なクソ女だけ。ご立派ね。」
と吐き捨てるように言うテオに
「あのお金をもらったの…?ふざけてるのね、酔ってるから」
「ずっと居候しながら、わたしにウソついてたの?」
とひどく動揺するシャーリー。
「あんな売名行為には関わらないって約束したじゃない!最低。葬儀が終わったら出て行ってよね。」
と、シャーリーはスティーブンとテオに対して喚き散らしました。
妻の荒れようを見て
「うちも受け取った。僕が受け取ったんだ。うちのために。」
とまさかのカミングアウトをするシャーリーの夫・ケヴィン。
「君が値引きばかりするからだ。それでどうやって商売を続けるんだ?印税を受け取ったおかげで、悲しむ人々を救えたんだ」
と話すケヴィンに、シャーリーは怒りで震え
「私をどれだけ辱めたか分かってる?出て行って。今日は終わり。全員出て行って!」
と絞り出すように吐き捨てました。
この一連の口論、かなり汚くてエグくて「みんな落ち着いて~~」ってなりましたね…。
口論の後、一同が
「本当に出ていかなきゃダメかしら」
「シャーリーが落ち着くのを待とう」
「俺たちはホテルに帰った方がいいかな…」
「もううんざりだ」
などと話していると、棺のそばにいたシャーリーが突然
「どういうこと…なんなのこれ、だれがやったの」
とひどく動揺し始めました。
スティーブンとルーク、父がそばに行ってみると、なんとネリーの遺体の目の部分にはボタンが…。
(子供の頃のネリーは、ボタンを集めるのが好きでしたね。それをなぞっているのか?)
スティーブンは
「僕はやってない。父さんが一番最後に近づいた」
とやっぱり父のせいにしようとしますが、父は
「こんなことするわけないだろう」と反論します。
言い争っている中、家がいきなり停電。
シャーリーとスティーブンは電源復旧のため、懐中電灯を手に歩き出します。
ネリーの遺体を見つめる父。
すると、父には首折れ女(ネリー)が見えました…。
「ネル、なんてことだ。」
そう言って首折れ女のほうへ近寄る父。
父も、いろいろ見えちゃう人なのかもしれないですね。
■ヒルハウスに何かいる
場面は変わって、再び回想シーン。
嵐の晩、ネリーが突如として姿を消したため、彼女を探す両親。
ですが、まだ見つかりません。
両親はそれぞれ分かれて、ネリーを探します。
この、母がネリーを探す様子がゾワっとしましたね!
長回しのカメラワークは、まるで自分もヒルハウスにいるかのような感覚になりました。
伝声管がある寝室では、ベッドに謎のおばあさんが座っているし、
その向かいの部屋からは、謎の車いすにのった子供が出てくるし…。
母はネリーに対して
「ママにもときどきここにいる人たちが見えることがある。でも彼らは何もしないわ」
と話していましたが、おばあさんや車いすの子供は、母に見えているヒルハウスの“住人”なのでしょう。
そうそう「伝声管がある部屋」「おばあさん」といえば、子供時代のルークも、伝声管からおばあさんのうめき声を聞いていましたよね。
さてその後、父が母のいるほうへ戻ってきますが、母の姿がありません。
そこには、床に落ちている懐中電灯だけ。
まさか母もどこかへ連れ去られてしまったのか!?
父は歩き回って妻を探します。
廊下を曲がると彼女を見つけますが、彼女はサササ…と歩いて行ってしまう。
父がそれを追いかけると、なんと彼女が向かった先は行き止まり。しかも彼女の姿はありません。
絶句する父。
すると、もと来た方の廊下に彼女が立っていました。
再び追いかけるも、また消えてしまう彼女。
すると次の瞬間、廊下の窓が次々と割れて、破片が散乱。
その後、廊下にへたり込んでいる妻を父が発見。
「大丈夫か?何をしていたんだ」と心配して声をかけると
「ネルを探してあちこち歩き回っていたの。とても変な夢を見たわ」
とだけ答えました。
(母は、夢遊病の気がありましたからね…にしても、どう考えても瞬間移動していたり、いろいろとおかしかったですね)
夫婦が再会できて、安堵したのもつかの間。
下のホールから子供たちの悲鳴が!両親は急いで向かいます。
「家の中に何かいた。近くになにかいた」
「大きな犬みたいなのが台所にいった」
「目がぎらぎら光っていた」
「確かにいたんだ。何か生き物だった」
子供たちはみなパニック。
生き物がいたというほうへ父が向かいますが、懐中電灯が切れかかってしまいます。
すると、背後からネルの過呼吸のような声が…。
父は駆け寄ります。
■闇の中をさまよう
場面は変わって現在。
ルークは父に「どこにいたの」と問います。
「別に、どこでもない」
と答える父に対し、ルークは
「闇の中をさまよっていたのか」
と言いましたが、このセリフが引っ掛かりました。
もしかすると、父や母、ネリーのように「向こう側の世界」が見える人は、何かの拍子にそっちの世界に迷い込んでしまうことがあるのではないでしょうか。
(これが、ルークの言うところの“闇”)
そして“闇”に迷い込んでいる間は、現実世界から姿を消してしまったり、不思議な現象が起こる…。
だから、ヒルハウスでの嵐の晩、父は母を見つけることができなかったし、その後もしばらく捕まえられなかった。
なぜなら母はそのあいだ“闇”をさまよっていたから。
同じく、現在の父にも、首折れ女(…というよりはネリーの亡霊?)が見えていたということは、父はそのあいだは“闇”の世界をさまよっていた。
だからルークは父を見つけられず「どこにいたの」と尋ねた…。
こう考えるとつじつまが合いますね。
父とルークはどこか通じ合っているような印象を受けました。
それはきっと「見える」人同士だからなのでしょう。
ネルの遺体のボタンをとりながら
「誰がやったと思う」
とルークが尋ねた際も、父は
「正直に言うと、私たちの誰でもない。だが、お前はもうわかっているんじゃないのか?」
とだけ答えました。
そして
「ネルは本当に自殺なの?」
というルークの問いに対し、首を振る父。
「母さんも自殺じゃないね」
という問いに対しては「それはかなり複雑な問題だ」とだけ答えました。
ルークなら、ある程度あちら側の世界のことがわかっているから、話してもいいと考えたのかもしれません。
ルークは「何が複雑なの」と詳しく聞きたがりますが、シャーリーとスティーブンがその場に戻ってきてしまったせいか、父は口をつぐみます。
そんな父に
「俺はどうしても知りたいんだ、父さん。ネルは自殺じゃない。父さんもそう言っている。母さんも自殺じゃない。」
と食い下がるルーク。
ルークがこんなことを言っているのを見て
「父さんが妄想を信じ込ませたせいでネルは自殺した。ルークにも取り入るとはな」
と、ますます父に不信感を募らせるスティーブン。
ですが父はなお
「これ以上お前たちを動揺させたくない。今は話せない。」
と話すのを拒否。
そして、誰かを一瞥するようなしぐさを見せ
「今は話すべきじゃないよ」
と独り言のように言いました。
「なんでうちの家族はみんな、心を病んでいると認めないんだ。母さん、ネル。父さんはずっと独り言。ちゃんと話せよ」
と、スティーブンの怒り・苦悩はますますヒートアップ。
「いいだろう。ネルはヒルハウスに殺された。お前は何もわかっていない。ネルやルーク、それに母さんにも正体が見えていた。私がしたのはすべて正当な理由があったんだ。」
と父は話しますが、スティーブンは
「幽霊屋敷だと?わかってないのはどっちだ。父さん自身が幽霊なんだよ。父さんの存在自体が怪奇現象さ。」
とわめき、しまいには
「最悪なのは、あの日父さんが生き残ったことだ!」
とまで言う始末…。
二人の口論が過激化している最中、ゴトリと大きな音がして、電力が復旧しました。
大きな音は、ネリーの棺が倒れた音でした。
…これ、たぶんネリーが二人の口論を止めようとしたんじゃないかなと感じたのですが、どうでしょう。
父が話していたように、ネリーはとても家族思いでした。
家族が久々に集まったのに、みんな口論ばかり。
それを見かねたネリーが、言い争う二人を止めようと動いて、その結果棺が倒れたのではないかと思いました。
倒れた棺を見て、シャーリーは涙ぐみながら
「メイクを直さないと。道具を取ってくる」
と部屋を出ました。
男性陣は、ネリーの棺を元に戻しました。
父はネリーの額にキスして「先に行っているよ」とその場から去り、スティーブンとルークは遺体をそのまま見つめていました。
一方、メイクのための道具を取りにシャーリーは倉庫に行きますが、そこで信じられない光景を目の当たりにします。
なんと、テオと夫のケヴィンがお取り込み中だったのです…。
ま、まじかよ~!
第3話で、
テオ:「姉さんが個人名義の通帳を見つけたわよ」
ケヴィン:「言わないでくれるか、バレたら僕も君もマズいことになる。」
というやりとりがありましたが、これは単に「スティーブンから印税を受け取ったことを黙っておこう」という意味だと思っていました。
しかし、二人がまさか男女の関係になっていたとは…。
私もシャーリーと一緒に、唖然としてしまいました。
いろいろとボロボロのシャーリーはその後処置室に行きますが、そこにはグラスを片手に彼女に微笑みかける謎の男性が…。
この男性、第2話でも現れていましたね。
おそらくシャーリーにだけ見える幻覚か何かなのかなと思いますが、いったい誰なのでしょう…。
■どこにも行ってないよ
場面は変わって回想シーン。
姿が消えていたネリーをやっと見つけることができて、安堵する両親と兄弟たち。
しかしネリーは
「あたし、ずっとここにいた。ずっと叫んでたのに誰も気づいてくれなかった。手を振ったりジャンプもしたのに誰も見ない。なんでなの」
と訴えかけます。
ルークは
「もう絶対にいなくならないで。一人でいなくなったりしないで。二度とダメだよ。だってこの家に、やつらに捕まったのかと思った。無事でよかった。もうこんなこと起きないようにする。絶対にだ。約束する。」
とネリーに話しました。
ルークは、このころからヒルハウスの秘密や、そこに住まう者に気づいていたのでしょうね…。
場面は再び現在に戻り。
スティーブンに「さあホテルに戻ろう」と促されるも、ルークはヒルハウスでの嵐の晩のことを思い出していました。
ネリーの遺体のほうを振り向くも、スティーブンにうながされその場をあとにするルーク。
誰も居なくなったあとのネリーの遺体のそばには、首折れ女状態のネリーの亡霊が立っていました…。
というところで、今回はおしまいです!
子供のころのネリーは、ヒルハウスでの嵐の晩に“闇”に迷い込んでしまいました。
そして
「あたし、ずっとここにいた。ずっと叫んでたのに誰も気づいてくれなかった。手を振ったりジャンプもしたのに誰も見ない。なんでなの」
と嘆いていましたよね。
もしかすると、死後の亡霊もそのような状態なのではないでしょうか。
ネリーはヒルハウスにて、まるで首つり自殺かのような死に方で命を落としてしまいましたが、彼女は“首折れ女”のような亡霊となって闇をさまよい続けているのかも。
それで、子供のころと同じように、誰も自分のことを気づいてくれないと嘆いているのかも…。
そう考えると、悲しいですね。
家族が全員揃って、母の死やネリーの死の真相がこれから見えてくるのではないでしょうか!