2013年数々の賞を総なめにし、
シーズン5で完結した後もなおファンを増やし続けているドラマ「Breaking Bad」。
主演のブライアン・クランストンをはじめとする俳優たちの演技力の高さ、
練り込まれ常に予想を上回る完成度の高いストーリー、
個性的で魅力的なキャラクターたち、シーンを表す完璧な選曲。
語る要素が多すぎるこのドラマなのですが、
ここでは「ブレイキング・バッド」に登場した印象的な食べ物Best 5でその魅力を振り返りたいと思います!
第5位:なかなか食べてもらえない巨大なピザ
ドラマ放映後、真似をする人が続出したという「Breaking Bad」の名シーン。
裏稼業がばれて、妻のスカイラーと別居することになったウォルター。
シーズン3第2話では、
息子のジュニアを学校から家へ送ったついでにみんなで食べようと、巨大なピザを買って行きます。
そんなウォルターをスカイラーは門前払い。
ヤケになったウォルターはピザの箱を放り投げ、箱から飛び出したピザは屋根の上へ。
あのシーン、運良くワンテイクで撮れたというから驚きです。
一晩屋根の上に置かれたピザは結局ウォルターが回収したのですが、もちろん食べられることはありませんでした。
また、シーズン5第9話では、
ウォルターの相棒・ジェシーが自分の家でどんちゃん騒ぎをしていた時も巨大なピザがデリバリーされるのですが、
カットされておらず、これじゃ食べられない!
という話からなぜかそれが民主主義だ!なんて話に。
結局ピザを食べるシーンがあったのはジェシーの友人・スキニー・ピートだけでしたが、
この時のメインは同じく友人のバッジャーが考えた「スター・トレックのパイ食い競争」の話。
とてつもなく大きく存在感があるのに、冷え切ってどこか寂しい印象の残るピザなのでした。
第4位:観ながら食べたいロス・ポジョス・エルマノス
ドラマ中最恐のボスだったガス・フリング。
裏ではクリスタル・メスを扱う冷徹なビジネスマン。
表の顔はフライドチキンのチェーン店「ロス・ポジョス・エルマノス」のオーナーで、自らにこやかに店内業務も行います。
店の前を掃き、テーブルを拭いて、ゴミを片付ける。
お客さまには常に優しい笑顔で接します。
裏稼業ではニコリともせず、人が死んでも顔色ひとつ変えない冷酷キャラ。
そんなガスが経営する「ロス・ポジョス・エルマノス」、なんと2017年に実際にオープンしていたんです!
期間限定でL.A.他各地にオープンしたお店は外観も内装もテレビで見たお店とそっくりそのまま。
ウェブサイトまで作られていて、社員研修用ビデオまで用意されているという力の入れようです。
というのも現在放送中のスピンオフドラマ「Better Call Soul」の宣伝のため。
ですがこのビデオを見れば「Breaking Bad」を見返したくなること間違いなし!
「ロス・ポジョス・エルマノス」の看板メニューはスパイシーに味付けされたフライドチキンなのですが、
これが本当に美味しそうで出てくるたびに食べたくなるんです。
ファンなら一度は食べてみたい、そんなフライドチキンです。
第3位:怖すぎて食べられないトゥコのタコス
ガスが最恐ならこちらは最凶、もしくは最狂とも言うべきキャラクター、トゥコさま。
たった4話しか登場しなかったのですが、インパクトが強すぎてあっという間に悪役界の人気者となりました。
強面で歯にはグリルがギラギラと光り、手元にはクリスタルメスをキメるために常にナイフが装備されています。
キレるポイントが難しくその地雷を踏めば最後、死ぬまで殴られるハメになり、敵も味方もありません。
そんな全身地雷のマシンガンが似合う男・トゥコさまですが、身体の悪い叔父のために甲斐甲斐しく世話を焼き、
料理まで作ってあげるという意外な一面があります。
豪快に肉を焼き、野菜をカットして、トルティーヤを巻いたトゥコさま特性タコス。
それは愛情のたっぷりこもった具沢山のタコスでした。
実はトゥコさま「Better Call Soul」でもおばあちゃんのためにご飯を用意してあげています。
だけど優しいのは身内にだけ。
トゥコに連れ去られ恐怖にすくむウォルターとジェシーは、トゥコの分のタコスに毒を混ぜるもあえなく失敗。
なんとか自分たちのタコスを食べたふたりですが、緊張感と恐怖から味なんてわからなかったでしょうね。
第2位:ジェシーの作るメキシカン・ブレックファースト
自業自得と言ってしまえば元も子もないのですが、ウォルターやジェシーの幸せな時間は長く続きません。
そんな中でも1番幸せそうに見えたこのシーン。
ジェシーは恋人・ジェーンのために朝ご飯を作ります。
途中ジェーンが起きてきてしまいますが、ジェシーはベッドに朝食を運ぶつもりだった様子。
なんともロマンチックな男です。
ジェシーが作っていたのはメキシコの朝食の定番「ウェボス・ランチェロス」。
トルティーヤに半熟卵、サルサソースの組み合わせが最高に美味しそうです。
不慣れなジェシーが作った卵には殻が入っていましたが、ジェーンはジェシーが気づかないようそっと取り除いてあげました。
ゆっくり2人きりで過ごす朝。
この後起きる悲劇など微塵も感じさせないこのシーンはとびきり幸せそうで、見返すたびに切なくなってしまいます。
第1位:ホワイト家の伝統 誕生日のベーコン
記念すべき第1話でウォルターは50歳の誕生日を迎えます。
その後すぐ余命宣告を受け犯罪への道をひた走ることとなるのですが、
皮肉なことに何もかもを失い52歳まで生き延びることとなりました。
誕生日の定番は朝食のベーコン。
50歳の誕生日、ずっと同じ日々が続くことを疑いもしなかったウォルター。
同じく人生が変わることを知らないスカイラーはウォルターのベーコンをちぎって、お皿の上に50の文字を作ります。
ベーコンはジュニア曰く「絆創膏の匂い」のするベジベーコン。
肉ではなく大豆で出来たベーコンもどきですが、家族の健康を考えたスカイラーの気持ちが現れていました。
51歳の誕生日では、ガラリと様子が変わります。
ウォルターは支配的になり、ウォルターを避けるようになったスカイラー。
しかしジュニアに言われ、ベーコンで51の文字を作ることになります。
できた51は1がとても小さくて、ジュニアがまた口を出すのですが、
乗り気でないスカイラーはジュニアのお皿のベーコンとちぎったベーコンを交換してしまうのでした。
スカイラーは絶望の渦中、ウォルターは全てがうまくいっているとご満悦で、ジュニアは両親の変化に気付かない。
家族の決定的な崩壊を暗示するような、胸騒ぎのする食卓シーンでした。
そして、52歳の誕生日。
家族を失い、自身も逃亡を続けていたウォルターは全てに片をつけるためにアルバカーキへと舞い戻ります。
立ち寄ったダイナーで簡単な朝食を頼み、初めて自分でベーコンをちぎり52の文字を作りました。
家を追われ、家族や友人からも忌み嫌われ、お金さえも奪われて全てを失ったウォルター。
あまりにも侘しい誕生日の朝ご飯を前に、家族との幸せな食卓を思わずにいられなかったことでしょう。
結局一口も食べずに店を後にしたウォルターは、全てに決着をつけ、物語は幕を閉じました。
*
以上、「Breaking Bad」に登場した印象的で魅力的な食べ物たちの紹介でした!
他にも印象的な食べ物は登場するのですが、今回はこちらの5つをピックアップしました。
ぜひ一気見で確認してみてください!