先に謝っておきますと、今回の記事、めちゃくちゃ長くなってしまいました!すみません!
読みづらいかもしれませんが、お付き合いいただけるとありがたいです…。
このドラマ、いままでに出てきた要素のメタ描写なんかが多くて、細かくいろいろ考察しているとかなり膨大な文章量になってしまいまして…汗
それだけ、見ごたえがあるドラマってことでもあるんですけどね!
事実、自分はけっこうハマってしまっています。
マニアック第5話「驚くなかれ」あらすじ
オーウェンとアニーはまだ夢の中の世界。
今度は1940年代風のお屋敷の、降霊会に参加する。その降霊会を主催していたのは、ある意外な人物だった。
一方現実世界のネバーディーン製薬では、フジタ博士とジェームズ博士が、実験中のトラブルに手をこまねいていて…
マニアック第5話「驚くなかれ」のネタバレ&感想
前回の第4話では、オーウェンとアニーが“夢”のような世界へ。
1980年代が舞台で、キツネザルをめぐる騒動に巻き込まれ、オーウェン(の姿をした、ブルース)が逮捕されてしまうところで幕を閉じました。
今回はその続き…かと思いきや、まったく別の“夢”が始まりましたね。
いきなり別世界の話が始まるので、かなり戸惑いますが、
“夢”の世界の話だけで終わった第4話とは違って、第5話は“現実”パートの描写もあったので
「なるほど、こういうわけで、こういう事態が起きていたのか」と楽しみながら見れる回でした。
さて、第5話での“夢”の世界の舞台は、1940年代。
音楽もジャズが流れていて、それっぽいです。
オーウェン…の姿をしたオリー・ハイタワー卿が、車に乗ってある屋敷に向かっています。
その道中、森の中を歩く女性=アニー…の姿をしたアーリー・ケインを見つけます。
この、アーリーのルックスがとても可愛かったですよね!
まるでマリリン・モンローのような、金髪の巻き毛に、真っ赤な口紅。
エマ・ストーン、こういうヘアメイクが似合いますね。
オリーを乗せた車を運転しているボビーは、彼女を見て
「今回の仕事は込み入ってますから、彼女をパートナーにしては?」
とオリーに提案しますが、
「彼女を乗せて遠くまで行け。降霊会に来させるな」
とオリーは突っぱねます。どうやら、オリーとアーリーは少なくとも顔見知りで、仲が悪いようですね。
車のドアをノックして、話しかけてくるアーリーに対し、オリーは
「今夜の会は、招待状が無きゃ入れないんだ。ネバーダインに招かれた証が」
と、自分が持っている招待状をちらつかせます。
そして、オリーはアーリーだけ車に乗せ、ボビーは車を急発進。
アーリーは、遠くまで“追放”されそうになります。
…これは、現実世界でアニーがネバーディーン製薬の治験にズルして忍び込んだことのメタファーでしょうかね。
アニーは、治験の「招待状」を得てはいなかったけど、不正に「招待状(=被験者カード)」を手に入れ、治験に忍び込んでいましたよね。
と、ここで場面は変わって“現実”の世界。
*
フジタ博士は、治験における異常に手をこまねいていました。
被験者1番(オーウェン)と9番(アニー)の数値がずっと共鳴していたのです。
ジェームズ博士も「自分の幻影を作り出している。すごいな、2人ともだ」と驚きます。
「2人を引き離してもそのたびに元に戻るの。原因はハードウェアね。出入力系を確認しないと」
と、二人の博士は原因の究明に向かいます。
しかし、トラブルの原因は、治験中は確認できない筐体内の問題かも…という結論に至り、手動でなんとか治験を続けること、
9番(アニー)の治験を早めに終わらせて、トラブル解決を試みることに決めます。
「筐体の中の問題」というと、これまで見てきた視聴者には、何が原因か察しがつきますよね。
そう、おそらくガーティー(GRTA)がムラモトの死に涙した際、
1(オーウェン)と9(アニー)の配線の上に“はんだ”がポトリと落ち、2つの配線がくっついてしまったことが原因でしょう。
第4話の時点では「これは、オーウェンが見ている“夢”なのだな」と思っていましたが、2人の配線がくっついてしまったことにより、2人は同じ夢を共有していたと考えられます。
だから、アニーに関する細かいエピソードと通ずる要素が、夢にも現れていたんですね。
たとえば、第4話ではグレッグ・ナズランド(現実世界ではトラック運転手で、アニーと妹の交通事故の相手)の名前が出てきます。
彼に関する話は、オーウェンもアニーから聞いて知っていたので、オーウェンの脳内に現れた存在かと思っていました。
でもそうなると「オーウェン、アニーの話の細かいところまで覚えていてすごいね!」って感じになりますよね。
なので、オーウェンの脳内の記憶にある名前が発現したというよりは、アニーの脳内から“夢”に発現したという理解のほうが正しいのかもしれません。
アニーにとっては、憎んでも憎みきれない名前ですからね。
話を本編に戻すと、二人の博士のシーンで、やっぱりジェームズとフジタは以前交際関係か何かにあったのかなと匂わせる会話がありましたね。
(ジェームズが「アズミ、前は親密だったんだ。敬語は使わなくていい」と言って、フジタが静かに頷くシーン)
第3話でフジタがジェームズの部屋に行った時も「合鍵をまだ持っていたから…」なんて言っていましたから、きっと昔そういう関係だったのでしょうね。
*
さて、場面はまた変わって“夢”の世界。
オリーは屋敷につきました。どうやらここでは“レディ・ネバーディーン”による“満月の会”という降霊会が行われるようです。
(言わずもがな「ネバーディーン」というのは、現実世界のオーウェンとアニーが治験を受けている、製薬会社の名前ですね)
屋敷の中に入ると、天井が高く、天窓があります。
古いお屋敷って感じですね。ディズニーランドのホーンテッドマンションを思い出しました。
屋敷の中には既に多くのお客さんがいます。
タキシード姿の男性が集まって、棺桶か何かに向かって手をピロピロしているのも見えます。
(ここ、コミカルすぎて笑ってしまいました。いかにも降霊術って感じですよね)
オリーが屋敷を歩いていると、女性から話しかけられます。
話しかけてきたのは、なんとオリヴィア!
おさらいしておくと、オリヴィアはオーウェンが昔片思いしていた女の子ですね。
第3話での、オーウェンの話の中に出てきました。
第4話の“夢”の世界でも、オーウェン…の姿をしたブルースが読んでいる本の中に、写真として載っていました。
こう何度も出てくるということは、オーウェンにとっては、相当印象深い女性なのでしょう。
「昔フクロウは何て言われていたと思う?月の化身よ。安心な場所へ導いてくれる。いつもね」
とオリヴィアは話します。
フクロウ…というと、第4話でもオリヴィアの写真が出てきましたが、そのときのオリヴィアはフクロウがプリントされた服を着ていましたね。
オリヴィア=フクロウと結びついていて、オリヴィアこそが月の化身、安心な場所へ導いてくれる存在なのでしょうか…?
この屋敷になにか“仕事”をしに来ているオリーに対し
「協力させて。計画は?」とオリヴィアは提案しますが、オリーは
「悪いが一人でやる」と断ります。
その後オリーは、他の客たちと談笑。
「手品は茶番だと言われたから賭けをした。彼が私のトリックを見抜いたら私の負け。
手品はやめる。私が勝ったら貴族の称号をもらう。そして私が勝ったんだ」
と昔話をします。
このあたり、現実のオーウェンの“名家”コンプレックスが現れているのかな?と思いました。
オーウェンは、名家であるミルグリム家の一員です。
実家も超大きかったですよね。一族の肖像画まであったし。
でも、オーウェンはその肖像画には描いてもらえていなかった。
精神病を患っているオーウェンは、ミルグリム家から“浮いた存在”となっていたのです。
名家に生まれながら、家族から浮いていて、認めてもらえない存在のオーウェン。
そんな彼の心の傷が“夢”に現れて「貴族の称号がほしくて、それを手に入れた」というキャラクター・オリーが生まれたのではないでしょうか。
しかし、そんなオリーの昔話に「あらそんなのありえないわ」と水を差す存在が。
なんと、遠くへ追いやったはずのアーリーです。
他の客からも「それどんな手品だったの」「見せて」と言われ、手品を披露することになったオリー。
近くにいた執事を相手にカードマジックをしますが、その最中に執事の服のポケットからそっと、鍵を奪います。
降霊会にたどり着いたアーリーに対し
「ドン・キホーテの失われた53章を盗みに来たんだろう?
私を含め、今夜は大勢があれを狙っているからな」
とオリーは問いかけますが、アーリーは「何のことだかわからないわ」とはぐらかします。
「ドン・キホーテ」といえば、第2話にも出てきましたね。
第2話で、アニーが不正入手したA錠を飲みきってしまい「これで薬ともおさらば。分厚い本だって読めるようになる」というようなシーンがありましたが、そこで出てきたのが「ドン・キホーテ」でした。
(結局、アニーはこの本を読まないんですけどね)
「ドン・キホーテ」はアニーの頭の中にあって、それが“夢”に発現したのかもしれませんね。
そんな中、降霊会が始まります。
司会が「みなさん。何か感じませんか?空気が震えているでしょう。」と、客たちに問いかけます。
…とここで、場面は“現実”に。
*
実験の機械がブルブル震える描写が写るので、夢の中で「空気が震えて」いたのはこの影響でしょうね。
フジタ博士は、またも実験のトラブルに焦っています。
…なんと、ガーティーが“夢”の世界に参加していることがわかったのです。
“夢”の世界では、司会者が
「今夜は特別な夜です。ご紹介しましょう、ネバーダイ第1号。
ガーティー・ネバーディーン、真の月の女神です。」
と言って、老女を紹介します。
これが“夢”の世界に参加したガーティーの姿ってわけですね。
ガーティーの後ろには、なんとヘルメットか何かを付けたムラモトの姿が。
しかし、動きが妙にカクカクしていて、まるでゾンビか何かのようです。
なぜガーティーが“夢”に参加しているのか…。
現実世界では、フジタがそのわけをジェームズに打ち明けます。
「まだ言っていなかったことがある。あなたを連れ戻す前に、確証がなくて。
ここのコンピューターはひどいうつ状態なの。それで想定外の動きをしている…」
なんてこった…。
実験の核ともいえるガーティーがそんな状態の中、治験を続けても大丈夫なのでしょうか被験者たち、危なくないのか!?
*
“夢”の世界では、オリーがガーティーに挨拶。
「そちらはアーリー・ケインね。別れたって聞いたけど」
とアーリーを見るガーティー。
(なるほど、アーリーとオリーは元夫婦だったんですね)
「また元に戻りました。そうだハニー、飲み物を持ってくるよ」
そう言ってオリーその場を去ります。
ガーティーは、アーリーに笑顔で話しかけ「彼はロバートよ」とムラモトを紹介。
ムラモトは硬い笑顔で握手をします。
ムラモトの“普通じゃない感じ”にぎょっとして
「彼、どうなさったの?」と聞くアーリー。
「亡くした人と共に生きるのはつらいわ。そうでしょ?」
と答えるガーティー。
(ちょっとやばい人なのかなって感じですね)
アーリーは「ちょっと失礼します」と言ってその場を去ります。
このシーンから見えてくるのは、ガーティーは降霊術か何かを使って、死んでしまったムラモトをよみがえらせたのでは?ということです。
現実世界においてガーティーは、ムラモトにロマンチックな詩を読んでもらってうっとりしていたこともあったし、ムラモトのことが好きだったのかも。
しかしムラモトを亡くしてしまった今、彼女はひどく悲しんでいるのでしょう。
もしかすると、今回の“夢”の舞台が「死者がよみがえる“降霊会”」になっているのは、ガーティーによるものなのかもしれませんね。
もう一度ムラモトに会いたいという、彼女の願望が現れているのかもしれません。
ガーティーの元を去り、屋敷を歩いているアーリー。
しかし、瞬間移動のように急に消えてしまいます。
(まるで、ハリー・ポッターシリーズに出てくる“姿くらまし”のよう!)
「これでよし」とつぶやくフジタ博士。
どうやら、現実世界でフジタ博士が、オーウェンとアニーと引き離そうと、何か細工したことにより“夢”の中のアーリーが消えてしまったようです。
アーリーは、治験の部屋のようなところで目覚めます。
小さな女の子に導かれるようにして部屋を出ますが、次のシーンでは“夢”の世界に戻り、オリーがいる部屋に突然現れます。
(たぶん、フジタが「2人を引き離してもそのたびに元に戻るの」と言っていたので、フジタが何度かこうやってアーリーを引き離そうとしても、すぐにまたオリーの元に戻ってしまうのでしょうね)
執事から奪った鍵でこっそり部屋に入り“仕事”をしていたオリーは、突然現れたアーリーに「いつからそこに」とびっくり。
「また僕に毒を盛るのか。
妻に睡眠薬を盛られすべてを持って行かれ、起きたら警官に囲まれてて刑務所に3年服役した」
と、過去にアーリーにひどい目に遭わされたようですね。
これに対しアーリーが「ウェンディーの件で罪を認めたんでしょ?」と言っていたのには驚きました。
ウェンディーといえば、第4話で出てきたキツネザルの名前です。
第4話の“夢”と今回の“夢”は、微妙にリンクしているのかな?
オリーは、狙っている「ドン・キホーテ」の第53章の“パワー”について話し始めます。
第53章には絶大な力があり、読んだ人は皆自分の妄想に永遠に飲み込まれてしまう。死ぬまで自分たちの夢の中にいることになる…と。
(ちょっと怖い話ですよね。いま、オーウェンやアニーがいるのは“夢”とも“自分の妄想”ともいえる世界なわけだし)
アーリーは
「あなたも鈍い人ね。そんなもの(第53章)のために来たんじゃない。
あなたを手伝いに来たの。私はありかを知っているわ。
私が知恵を出し、あなたが盗む。これまでずっとそうやってきたでしょう」
と、協力して“仕事”をすることを持ち掛け、オリーもそれに了承します。
屋敷のホールではいよいよ、メインイベントの降霊術が始まりました。
ガーティーは、オリーとアーリーを指名。
ムラモトが近くに寄ってきて、音楽に合わせて3人は踊ります。
現実世界では、フジタ博士が「やめて、なんで離してもくっつこうとするの」と悪戦苦闘。
再びアーリーを引き離そうとし、“夢”の世界ではアーリーが突然消えます。
「彼女は星の世界へ行った、うまくいってるわ。誰か彼女に続いて、ほら、あなた」
嬉しそうにし、オリヴィアを呼び込むガーティー。
オリーはすきを見て、ダンスから離脱します。
突然消えてしまったアーリーはふたたびネバーディーン製薬と思しき場所に。
「大事な称号を捨てるなんて。俺は父親で、君は母親なんだぞ」
と、男性の怒鳴り声が聞こえます。
ポッドには、小さな姉妹の姿が。
妹が「ママは帰ってくる?」と問いかけると、姉は妹に昔話をしてやります。
…これは完全に、アニーの記憶にある光景でしょうね。
アニーの両親は離婚しているようでしたし、姉妹は子供のころのアニーと妹でしょう。
しかし、再びアーリーは“夢”の世界に戻り、オリーとともに“第53章”のありかに向かいます。
人に見つからないよう、屋敷の中を進む二人。
そこで突然話しかけてきたのは、グリムソンでした。
(現実世界のオーウェンのもとにたびたび現れ、啓示のようなことを話す、妄想上の男性です)
「おい、オーウェン…じゃなかったオリー卿。実はレイチェルと話したんだが、ジェドと俺は双子だった。
彼がへその緒で俺の首を絞めた…大丈夫、ただの心霊体だ。冒険を続けろ。
ここが気に入った。しばらくここにいるよ。」
ちょっとこれだけだと「何言ってるんだ??」って感じですが、グリムソンは“夢”の世界にしばらくいることにしたんでしょうか。
となると、現実のオーウェンのもとには、今後現れなくなるのかな…。
オリーとアーリーは、ついに“第53章”のありかの入り口である“鏡”にたどり着きます。
そこでオリーは
「やっと、筋道が通った。アーリー、僕たちはいま鏡の中にいる。
だからこの状況は、君が思っているより単純だ。傷ついているのは君の方。
なのに僕を弱い者扱い。君は自分が強いと思いたがっている。僕より強いと」
とアーリーに話します。
…これは、現実のオーウェンとアニーにも通じそうですよね。
オーウェンは見るからにオドオドした感じだし、どちらかというと“弱い者”っぽい。
アニーは妹に“自己中”と言われてしまったくらい、一見すると気が強く“病んで”はいなさそうだし、強そうに見えます。
でも、アニーも実は“病んで”いる。傷ついている。そういったことのメタファーでしょうか。
二人は、金庫を開けて“「ドン・キホーテ」の第53章”をついに手に入れます。
アーリーは「ごめんなさい。それをこっちに渡して。どうしても必要なの」と話し、オリーもそれを了承します。
※ここで「ドン・キホーテ」について確認しておきましょう。
「ドン・キホーテ」は騎士道物語の読み過ぎで現実と物語の区別がつかなくなった男が主人公。
自らを経験豊富な騎士と思い込み「ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ」と名乗って、冒険の旅に出かける物語です。
現実世界のアニーが、どうしても必要としているもの。
ズルをしてまで製薬会社の治験に潜り込み、欲しがっていたもの。
それはネバーディーン製薬の「A錠」でしたよね。
A錠を飲めば、妹との思い出を見られて、妹に会える。
現実ではないけれど妹に会えるから、アニーは何度も繰り返し薬を飲む。
これって、ドン・キホーテと通じていませんか?
ドン・キホーテは、物語の読み過ぎで、現実と物語の区別がつかない。
アニーは、薬の飲み過ぎ…。
なので、今回の“夢”に出てきた“「ドン・キホーテ」の第53章”は、アニーが欲しがっている薬、と考えることもできるんじゃないかなと思います。
アーリーは(おそらくフジタの手によって)また“夢”の世界から引き離され、瞬間移動。
ネバーディーン製薬(と思しき場所)の、ポッドの部屋に現れます。
部屋には小さな庭園のようなものがありますが、その中の崖の下に、赤い車がありました。
(これは言わずもがな、アニーと妹の交通事故のメタファーですね)
車のヘッドライトが光り、まぶしそうにするアーリー…。
現実世界では、ジェームズがアニーの目をライトで照らしていました。
そして彼女の意識が戻り、ジェームズは「B錠の治験は終わりだ」と告げます。
そして、アニーは「近接検査」にかけられます。
ジェームズによれば「近接検査」とは
・ガーティー(GRTA)の解析の参考にするため、収集したデータを照合する検査。
・アニーに対し質問をして、その回答に応じて点数が上下する。
・アニーの回答と、治験による観測事実が違うと減点になる。
・10点満点で、9.2に満たなければこの治験は終了
…こんな感じの検査らしいです。
この説明の中でジェームズが
「ところで妹さんのこと気の毒に思うよ。自動車事故で焼死したとか」
と話していることから、治験による観測で、ずいぶん細かいところまで博士たちは把握できていることがわかります。
また、死んだのかどうかがはっきりわかっていませんでしたが、妹は事故で亡くなってしまっていたことも明らかになりましたね。
だからあんなにも、アニーは繰り返し薬を飲んで、思い出の中の妹に会いに行っていたのですね…苦しい。
「近接検査」で、アニーはさまざまな質問をされ、答えます。
自分の名前。
身内で健在なのは父だけだということ。
母が存命なのかどうかは知らないこと。
B錠の治験で見た“夢”(博士は“幻影といっていましたが、わかりやすいようにあえてこう呼んでおきます)の内容。
それが自分の現実とは違うこと。
現実の自分は長いこと鬱状態であること。
1つ目の“夢”でのアニー=リンダ(彼女は看護師で、夫と子供がいる)は自分の望みと正反対であること。
(この答えの時、点数が減りましたね。博士たちは、リンダ=アニーの理想像との観測事実をとらえていたが、アニーの回答はそれと異なっていた、ということになりますね)
2つ目の“夢”では、泥棒で詐欺師のアーリーになったこと。
詐欺師が嘘をつくのは弱みを見せたくないからだと思うこと。
アーリーはオリーに弱みを見せたが、彼はアーリーを見抜いたから、そうしたこと。
オーウェンとはどの“夢”でも絆があったこと。
彼との人生をすべて覚えていたこと(ただし、錠剤にはそんな作用はない)。
夢に出てきた、グレッグ・ナズランドのこと。
彼について「彼が生まれてこなければ」とたびたび思うこと。
アーリーは、目的があって、何か手に入れるために、人を傷つけてもいいと思っているが、現実の自分は違うこと。
アーリーは、母に似ていたこと。(人を魅了して、いろんな約束をして、相手が心を許すとたちまち牙をむく)
自分は、お母さんと同じことをしたらどうしようと不安に思っていること。
妹とは協定のような関係で、小さい頃は自分が妹の世話をし、大人になってからは逆だったこと。
…ここまで話して、点数が9.2ポイントに到達。
検査レポートが印刷されました。
結果は
「境界性人格障害の兆候。死と喪失へのトラウマ。母親との関係性に問題あり」
…妹との事故というより、その根本原因は母との関係にあって、それで現在の症状が出てしまっている、ということですね。
場面はふたたび“夢”の世界。
オリーは、暗に“ドン・キホーテの第53章が盗まれた”ことをガーティーに伝えますが、ガーティーは盗まれた53章に対し
「あんなパワーはないの。この章は私も読んだ」
とだけ話します。
夢のような話は、必ず期待を裏切る…。
オリヴィアは再びオリーに話しかけ「良いコンビになれると思わない?」と提案しますが、オリーは「誰とも組まない」とやっぱり断ります。
そして、ボビーが待つ車に乗って、屋敷をあとにします。
…とここで、オーウェン含め被験者全員が、目覚めて、第5話は終わりです。
*
すみません!!!!
どこも取りこぼせなくて、かなり長い記事になってしまいました。
かなり要素が多くて、どれもすべて重要そうで、注目して見ていたらこんなことに…。
物語がどんどん面白くなっていて、ぐいぐい引き込まれてハマってしまっています。
今回はアニーの検査結果だけ明らかになりましたが、オーウェンは果たしてどうなのか…とか、
ふたりの病気がなんなのかわかったところで、それを治すにはどうしていくのか…とか、いろいろ気になることが山積みですね!
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