NetFlixで配信中の人気ドラマ「13の理由」。
今回はかなりボリュームたっぷりの回で、たくさんの登場人物たちが絡んでくるお話でした。
13の理由シーズン2第8話あらすじ
第八話「我が愛しき娘」
クレイがネット上にハンナのテープをアップロードしたことで、学校は大混乱。
ブライスに対する反発ムードが高まる中、マーカスは学校の式典の最中にブライスに関する発言をし、周囲の人をざわつかせる。
一方、裁判の証言台にはハンナの両親が立つ。学校側の責任を問うはずが、家庭問題のことを追及されてしまう。
13の理由シーズン2第8話の感想
さて、前回のラストでクレイがテープ音声を流出させたせいで、学校は大騒ぎに…。
今回は特に、多くの人物が関わってくる回だったので、当時人物ごとに感想を書いていきたいと思います。
浮気問題で対立するハンナの両親
今回は、ハンナの両親が証言台に立ちました。
しかしそこで、家庭問題が明らかになります。
ハンナの父の浮気についてです。
父は、ハンナが生きているころから、妻とは別の女性と交際をしていました。
ハンナは、父がその女性とデート終わりにキスをしているところを目撃してしまい、ひどくショックを受けます。
家に帰って、うつろな目で歯を磨くハンナに対して、父は
「ママのことを心から愛しているけど、結婚は複雑なものなんだ。親が完璧じゃないのを知るのはつらいと思うが…」
と弁明しようとしますが、ハンナは
「人生論にすり替えないで。ママにも話して。じゃなきゃ私が言う」
と返事します。
「その後すぐに妻にも話し、それ以降は問題なかった。あの問題は家族で乗り換えた。
うちではいつもハンナは幸せだった。学校のことで悩んでいたんだ。」
そう父は証言していましたが、果たしてそうだったんでしょうかね。
学校側の弁護人が
「あなたが浮気していることはハンナの精神に関係したのでは?」
と追及していましたが、私もまさにそうなんじゃないかと感じてしまいました。
学校で辛い思いをしていたら、どこに相談したいと思うか。
そうなった場合は家族に相談したい、と考える子供も多いはずです。
もちろん、家族には心配をかけられないと考え、一人で問題を抱え込む子もいると思いますが。
ハンナも、父の浮気問題で家庭の基盤が揺らいでいるのを見て、
「自分の問題を話せない、相談できない」
と感じたところがあったんじゃないかと思います。
もちろん、ハンナが自ら死を選んだのは、学校での問題が原因というところも大きいでしょう。
でも「家庭での相談がしづらい状況だった」というのも、大いに問題だったのではないか、と思えてしまうのです。
ハンナの母についてもそうです。
このお母さんってちょっと、素直に相手に気持ちを伝えられないところがありますよね。
(それは、ハンナにも遺伝しているところが見受けられますが)
今回も、父が浮気をハンナに知られていた件について弁明したとき、母は「自分は悪くない」と言い聞かせて、悪いのは夫のせいにしていました。
まあ確かに、浮気をしたのは父なんだから悪いのは父なんですけど、それでも「自分は悪くない」って思いこもうとするのはどうなのかなって感じですよね。
ハンナも、テープの端々に「あの時、あなたがこうしてくれていたら」という部分があって、まあ確かにそれもそうだけど、ハンナも「こうしてほしい」「助けてほしい」って言えればよかったのにねって感じてしまいました。
ハンナもお母さんも、素直じゃなくてめんどくさい部分がどこかありますよね。
「親ができることには限界があって、親が関われない部分も、子供の人生にはある。
子供が辱められるたびに守るのは無理。親が間違うこともある。
常に適切な言葉をかけることはできない」
と、母自身も語っていますが、ハンナと母のやりとりの回想シーンを見ていると「この時、本気で心配してあげられていれば、ちょっとは違ったんじゃないか」と感じてしまうことが多々あります。
母は、ハンナが父の浮気について知っている様子や悩んでる様子には「気づかなかった」と言います。
また、
「母の家系には不安症の人がいて、自身も何度かセラピストの治療を受けたこともあったけれど、ハンナは子供だったし、そんな症状はなかった。」
とも言っています。
不安症の遺伝の可能性を考えられていたら。
ハンナをセラピストに診せることができていたら。
ハンナの、ふさぎ込んでいる様子に気づけていたら…。
このドラマを見ていると「たられば」ばかり考えてしまって、心が苦しくなりますね。
学校側の責任を問うはずの裁判なのに、両親の問題・家庭問題も責められることになってしまった。
この裁判って、どこに向かうのかなと思ってしまいました。
スカイとクレイの再開
ハンナをセラピストに診せることができていたら。
ハンナの、ふさぎ込んでいる様子に気づけていたら…。
それと対照的なのが、スカイの存在ではないかと、私は感じました。
今回、クレイはやっとスカイと再会します。
スカイは精神療養施設に入っていて「今まで電話を禁止されていた」と。
だから今まで、クレイがどんなに電話をかけても繋がらなかったんですね。
しかし、クレイはかなりの量の留守電を(まるで日記のように)残していましが、それをひとつ残らず聞いたスカイ、偉すぎませんか(笑)
私だったら絶対めんどくさくなっちゃうなあ。
スカイは、憑き物が落ちたようにすっきりした表情をしていて、笑顔でしたね。
そんなスカイの変化に、クレイは戸惑っていました。
「薬とかで君が変わってしまったら?」
「僕は、ただの昔の思い出に成り下がる」
そんなことを言いますが、それに対してスカイは
「変わりたいと思う。」
「リセットボタンを押す必要がある。あんたとの友情も消えない。でも前に進まなきゃ。
自分の意志だよ。今まで自分を偽ってきた。私は大丈夫、問題ないって。でも平気な振りは続けられない。
病気じゃないふりはね。もう他人のせいにもしたくない。もっといい人生を送りたいの」
と、力強く語ります。
私の好きな曲に、欅坂46の「二人セゾン」という曲があるのですが、
その中に印象的な歌詞があって。
「生きるとは 変わること」というフレーズなんですけど。
人生って、まさにそうだよなあと思うんです。
人間だれしも失敗したり、挫折をしたりすることもあるけれど、どんどん変わっていけばいいし、生きていれば変化は当然のこと。
クレイがスカイの変化に戸惑ったように、昔の自分と今の自分の違いに戸惑う周囲の人もいるけれど、自分が前に進んでいくには変化が必要ですよね。
「あんたはいい人だよ。人を助けることもできる。ただその方法が、あんたが思っているのと違うだけ。」
と、スカイはクレイに声をかけます。
スカイ、いろいろと問題はあったけど、いい子ですよね。
この言葉に、クレイも背中を押されたはずです。
心が揺れるクロエ
テープが流出したことで、ブライスは学校の中で「レイプ魔」扱いされるように。
そんなブライスと交際しているクロエも「あの子、レイプ魔のブライスと付き合ってるのよ」と陰口をたたかれてしまいます。
クロエは、ため息をつきながらトイレの個室にこもりますが、そこで目に付いたのが個室のドアにある「ジェシカがやりたがった」という落書き。
それを見てクロエは、怒りに満ちた目でリュックからマジックペンを取り出し、落書きを黒く塗りつぶしてしまいました。
そこにやってきたのが、テープ流出のことを知り、過呼吸状態のジェシカ。
クロエと入れ替わりで同じ個室に入りますが、黒く塗りつぶされた落書きを見て、ジェシカは少し安堵の表情を見せます。
クロエは、ちょっと変わりつつあるのかなというのが見て取れましたね。
でも、ブライスに「わかってるな?全部うそっぱちさ」と肩を抱かれた時は、浮かない顔でうなずくだけでした。
この学校では、ブライスは絶対的な存在。
それに、クロエはそんなブライスと交際している立場。
女子として許せない気持ちと、ブライスがそんなことをしたと信じたくない気持ち。
心が揺れているであろうクロエは、今後どうなっていくのかにも注目したいですね。
再びいじめられるタイラー
変われたと思っていたのに、昔の自分に引き戻されそうになっているのがタイラーです。
タイラーは、サイラスやその妹と仲良くなり、よく遊ぶようになっていました。
そんな中、テープが流出。
他の生徒から「変態野郎」と責められて、教室に閉じ込められてしまいます。
教室に閉じ込められたタイラーのもとを訪れたサイラスの妹は
「それでもデートの約束は変えない」
と微笑みます。
しかし、その後のシーンでサイラスが
「妹とお前が付き合っててもかまわない、お前を信じてるからな。
カメラ片手に女を追い掛け回すイカれた変態じゃなきゃ。」
と冗談っぽく言う様子に、タイラーは固まってしまいます。
だって、カメラ片手に女を追いかけまわしていたのは、真実なんですから。
昔の過ちから逃れられないのは、恐ろしいですよね。
せっかく手に入れた幸せを失いそうなタイラーの今後も気になるところです。
裏切ったマーカス
今回は、マーカスの言動も印象に残りましたね。
「ここ数年で学校は地に落ちた。僕は学生啓発の会の会長を務めていますが、
きょう僕は会から脱退します。自分は偽善者だから。女子生徒を守るふりはできない。
僕が守ってきたのは、レイプ魔のブライス・ウォーカーなんです。」
という、学校式典中の爆弾発言は、周囲の人をざわつかせました。
この発言だけ見れば「勇気を出してよく告発した!」と言えるでしょうが、そうではないんですよね。
・ブライスに対して「レイプ魔」だとバッシングする風潮が学校で高まっていた
・マーカスは、証言台でブライスをかばうような発言をしたが、ブライスはそのことについて「勝手に俺の名前を出すんじゃねえ。守ってくれなんて頼ってない」と冷たい態度
・マーカスのもとに、例のいかがわしい動画が「ブライスか、お前かだ」という強迫メッセージとともに送られてきて、マーカスは動揺
という状況の中での発言なわけですから、むしろマーカスの「自分の身を守れるなら何でもする」という自己保身体質が如実に表れている言動だったわけです。
自分を守りたいだけの腰巾着(マーカス)が、自己保身のために悪党(ブライス)を裏切る。
滑稽ですね(笑)
マーカスの爆弾発言のおかげで、ハンナ支持派の市民団体は「ハンナはブライスの犠牲になった」と大騒ぎしていました。
あくまで強気のブライス
マーカスが爆弾発言をしたものの、依然としてブライスは強気ですね。
お父さんパワーをフル活用しようとしているようです。
ジャスティンに対して言い放った、
「俺には弁護人も、俺の善良さを証言する議員もいる。
お前にはヤク中の母親と、父親…本当の父親は知らないんだったな。貧しい白人の子供だ。
お前の味方はいない」
という言葉は、まさにクズofクズでしたね。最低だ…。
しかし、ブライスの父は息子を信じようとしているものの、母は息子のことをどうも疑っている様子でしたね。
ブライスの両親は「ジェシカが真実を話さないかどうか」を心配していましたが、まさにカギはジェシカにあると言えそうです。
*
…さて、ボリュームたっぷりな回だったので感想も長くなってしまいました!
今後としては、クレイが
「僕は自分ができることは全部やった。すべてを正すために。でも1人じゃ無理だ。テープのことは悪かったけど、事態をよくするのに必要だった。協力してくれ」
と、アレックス達に協力要請をしたのが気になりましたね。
八方ふさがりのような状況の中、どう事態を打開していくのか、注目です!
【13の理由】シーズン2第9話あらすじ&感想はこちら↓
【13の理由】シーズン2第9話あらすじ&感想