Netflixで配信されているオリジナルドラマ「このサイテーな世界の終わり」。
シーズン1は2017年に制作されましたが、早くもシーズン2の配信が決定しているほど、話題を呼んだドラマなんです!
青春ドラマ×ブラックコメディのようなタッチの作品で、鬱屈とした青春時代をおくった経験のある人なら「わかる~」と共感できて、のめりこんでしまうかも?
そんな話題の作品、さっそく見てみました!
このサイテーな世界の終わりシーズン1第1話あらすじ&感想
17歳の高校生・ジェームスは、自らを“サイコパス”だと認識していた。動物を殺すのにも飽きて“もっと大きな獲物を殺したい”と考えていた彼は、転校生のアリッサと出会う。
アリッサもまた、鬱屈とした感情を抱える少女だった。母親が再婚してから家庭には居場所がない。アリッサはジェームスと連れ立って、ある行動に出る。
■サイコパスな17歳・ジェームス
このドラマの主人公は
・ジェームス
・アリッサ
の二人。
この二人の、それぞれの視点・独白により、物語が進んでいきます。
まずは、ジェームスの視点から。
ジェームスの独白によれば、彼のプロフィールはこんな感じ。
・8歳…笑うのが苦手だと気付いた。父親にジョークを言われても全く笑わない。
・9歳…父親が通販で買った揚げ物マシンに、手を突っ込んで大やけど。
(ジェームス曰く“何かを感じたかったからそうした”)
・15歳…動物を殺し始める。最初は、近所の飼い猫。その後も猫をはじめとし、ネズミ、モルモット、蝶、コウモリなどを10匹以上殺す。
(ジェームス曰く“殺したやつは1匹残らず覚えている”)
・現在17歳。自分のことは「間違いなくサイコパスだ」と思っている。
・もっと大きな獲物を殺したいと考えている。学校には、その品定めのために行っている
・父親のことは、ずっと殴ってやりたいと思っている
…やばいやつじゃん!!!
ジェームスの独白が「僕は間違いなくサイコパスだ」から始まったので
「なるほど…思春期特有の…いわゆる中二病ってやつですかな?」
と思っていたんですが、さすがに揚げ物マシンに手を突っ込んだり、動物を殺したりまでいっちゃうとヤバい。モノホン感がある~。
そんなジェームス君、学校のランチはもちろん一人です。
そりゃそうだ…。
しかし、そんな彼に話しかける物好きな女の子が。
彼女がもう一人の主人公、アリッサです。
■家庭不和に悩む女の子・アリッサ
アリッサの独白によれば、彼女のプロフィールはこんな感じ。
・父親は人づきあいが苦手な人で、彼女が8歳の頃に出ていった。それ以来父には会っていないが、彼女の誕生日には毎年欠かさず父から誕生日カードが送られてくる
・その後母はトニーという男と再婚した。それから彼女に対して冷たくなった。トニーが彼女に下ネタを言っても、母は知らんぷり。母は、完璧な家と庭、双子の赤ん坊にしか目がない。
・爆発しそうなときは、外で寝転んで空を見上げる。吸い込まれそうな空を見ていると、無垢な存在になったような気分になれる。ほんの一瞬、自由になれると感じる。
・人に溶け込むのがうまいような、八方美人は信用できないと考えている
う~ん。家庭に自分の居場所がないのは、なかなかキツそうですね。
爆発しそうな気分になってしまうのもわかる。
そんなアリッサも、けっこうぶっ飛んだ子で…。
学食では一応、ほかの女子と混ざってテーブルを囲んでいるのですが、なぜか女子たちはみんなそれぞれスマホに夢中で、一切会話無し。
(これ、けっこう不気味な光景だなーと思いながらも笑えてしまったのですが、今の学校だと割とある光景だったりするのかなあ)
そんなとき、目の前に座っていた女子からアリッサにメールが。
アリッサは
「どういうこと?私目の前にいるんだけど」
と言って、スマホを床にバーーーン!!!とたたきつけます。
当然、壊れてしまうスマホ。
ワ、ワイルド~~!!
アリッサ、みんながスマホに縛られすぎなことが息苦しかったのかしら。
その後アリッサは、学食で1人で座っていたジェームスに話しかけに行きます。
“彼だけは、どこか違う”と、いつも一匹狼なジェームスを特別視していたのです。
■少し病んでて、ぶっ飛んでるアリッサ
それから、二人は行動を共にするように。
しかし、ジェームスはアリッサについて、殺すのにちょうどいい獲物だと考えていました。
だから、彼女に気があるふりをした。
めちゃくちゃ積極的にキスしてくるアリッサに耐えるジェームスの図は、なんだかシュールでしたね(笑)
その後も、アリッサが話しかけてくるのに対し全部「へえ」「あっそう」で返すなど、塩対応なジェームス。
そんな彼にアリッサはため息。
“こういうとき、ふつうはデートに誘う”
そう考えたジェームスは、アリッサを誘ってダイナーに行きます。
(「普通の人はこうするだろう。だから、そうしてみよう」と考えて、まるで演技をするように話をしているのが、サイコパスみがすごい)
しかし、ダイナーでのアリッサの行動に、ジェームスはちょっと面食らってしまうこととなります。
アリッサは、ダイナーでの注文の際に汚い言葉遣いをして、ウェイトレスのおばさんから
「言葉遣いを改めて。でなきゃ彼氏も一緒に出ていってもらうわ」
と注意されます。
アリッサは
「はあい。すみませんでしたー。ほんとーに。」
と棒読みで謝ってから、さらにクソみたいな言葉遣いで注文をして、ウェイトレスのおばさんを挑発。
加えて、おばさんを「クソ女」と罵倒する言葉を吐き捨てたうえで、店を出ていってしまいます。
“彼女は少し病んでいるようだった”とジェームスが話していますが、ほんとそんな感じですね(笑)
アリッサの暴走に、ジェームスがちょっと笑っちゃってたのが可愛かった!
なんだよ!君、笑ったら可愛いんじゃないか!
店に残されたジェームスと、ウェイトレスのあいだに流れる気まずい空気。笑
彼も、アリッサを追って店を出ていきます。
■サイテーなパパ
その後、二人は「この街は退屈だ」という話でお互いに共感します。
奇抜な老婆を見かけて
「いけてるのはあの人だけね。きっと元スパイで、中絶が禁止の時代に15回はおろした。責めてるよね」
とぺらぺら喋るアリッサに
「それほんと?」
とジェームスが真顔で戸惑っていたのが笑えました。
本当なわけないだろ!!笑
さすが冗談がわからないだけある。
そしてアリッサは、ジェームズの家に行きたがります。
アリッサを獲物にしたいと考えているジェームス。
彼女を殺すところを想像して「ああ、いいよ」と答えました。
…自分の家で殺そうと考えているのか!
家でのシーンから、ジェームスと母には何か悲しい思い出でもあるのでは?と思いました。
・アリッサから母についての話を振られたとき「今は日本に住んでる」と言っていたけど、どうも本当なのか怪しい(本当だったとしても、なぜ日本?)
・ブランコについて、母と乗っていたことを思い出しながら「ブランコは嫌いなんだ」と話す
など、ジェームスの言動が引っ掛かったんですよね…。
あと、アリッサが引き続きボディタッチ多めなのが笑えました。
ジェームスの、真面目そうなトーンでの“彼女は性欲強めだった”という独白がなんだかツボりました。笑
そんなこんなで、家で二人は過ごしますが、ジェームスはアリッサを見て、彼女を殺すところを想像してばかりいました。
ちょっと…まじで殺そうとしてるの…?
そこへ、まさかの父帰宅。
アリッサを殺したいジェームスにとっては、父が帰ってきたことによってそれが叶わず、歯がゆいですね。
しかしこの父の、アクの強いこと!
どうやら父は、息子が女の子を家に連れ込んだことに安心したようで、とても陽気にアリッサと乾杯をしてから
「ほっとしたよ。こいつ、抜いてもいないかと…ずっと心配していたんだ」
と言って、ガハガハ笑いました。
なんてデリカシーがないんだ!
(ちなみにジェームス曰く“健康のため、週一で抜いてはいた。ため込むのはよくないから”)
「ゲイかと思っていた。それが悪いわけじゃないよ。でも安心した」
と、デリカシー皆無な発言を続ける父。
そんな父にたまりかねたのか、アリッサが
「あたしがゲイかも。それで彼はアセクシャル。」
とぶっ込みます。
(※ちなみに、アセクシャルとは無性愛者のこと。性的な行為への欲求・関心が少ないか、全くない人を指します)
アリッサの言葉に、何も返せなくなる父。
「最近はいろんな人がいるわ」
アリッサはそう言って、食パンをかじりながら席を立ちました。
アリッサは、家の外で二人きりになった際ジェームスに
「あんたのパパ、最低だね」
と話します。
「そうなんだ。ときどき顔を殴ってやりたくなる」
と言うジェームスに
「それ実行すべきだね」
と返すアリッサ。
…しばしの沈黙があってから
「女のアソコ舐めたことある?」と、アリッサまさかの爆弾発言(しかも真顔)
そして、ジェームスも
「ああ何度かね」と同じく真顔で返します。
(しかし、これはジェームスの嘘。彼曰く“ここは経験をアピールすべきだと思った”)
その後も、二人は真顔でやりとりを続けます。
アリッサ「私のもなめてほしい」
ジェームス「いま?」
アリッサ「明日。11時に来るね」
…わざわざ、性行為の約束をして、そのために待ち合わせすることなんてある!?笑
しかも、終始真顔。二人ともずっと真顔で、淡々としたトーン。
シュールすぎるやろ…。
■逃避行
アリッサと約束をして、ジェームスはそわそわしていました。
今度こそ彼女を殺そうと、準備万端にして待機していたのです。
前回彼女が家に来た時は、アポなしでの訪問でしたからね。今回は事前に準備ができるというわけ。
彼はナイフを研いで、クッションの間に隠し、約束の1時間前から姿勢を正して待ち構えていました。
…しかし、約束の時間を1時間過ぎても、アリッサは現れません。
彼女が現れなかったわけ。
それは、彼女の母に懇願されて、ホームパーティーの手伝いをさせられていたからでした。
パーティーの合間に、母の再婚相手・トニーからビールを勧められるアリッサ。
(未成年飲酒はアウトなのでは…?)
「ウソくさいことばっか。あんたの全部がね。」
と、反抗的な態度をとるアリッサに
「そんなにイヤか。なら出ていけ。本気だぞ。みんなのために。」
と言って笑うトニー(怖い)。
アリッサは、微笑みます。
トニーは
「着替えただけで見違えたな」と言って、アリッサの腰にタッチしました。
…母はその様子を見ていましたが、まるで何も見ていなかったかのように無言でその場から立ち去りました。
“人って、突然吹っ切れるもんだね。一瞬で迷いがなくなる。離れたところから他人になった気で、いつもいる場所を俯瞰してみたら自分がわかった。そして思った。こんな生活くそくらえ。”
アリッサは、パーティーからも自分の家からも抜け出して、ジェームスの家に向かいました。
彼女はジェームスについて“彼といると落ち着く”と感じていたのです。
待ちぼうけしていたジェームスのもとへ、アリッサが到着。
彼女は家に入るなりすぐに服を脱ぎ、上半身はブラだけという格好になって、ソファーにあおむけのようなかたちで座りました。
(彼女曰く“私はムカついて悲しいと、ムラムラするたちらしい”)
ジェームスは、相変わらず彼女を殺すことばかり考えていました。
クッションに隠した刃物に手を伸ばしながら、どの角度でのどを切るのが一番いいか…なんてことを考えていたのです。
…アリッサはジェームスのことを“この人なら好きになれそう”って考えているのにね!
ジェームスが“どう殺そうか”の思案をしていると、急にがばっと起き上がるアリッサ。
そして、突然とんでもないことを提案し始めます。
「この街を出よう。本気よ。車もあるし。こんなつまんないところ出ていこう。お互いこの街が嫌いだし、親はクズ。」
ジェームスは
「(車は)父さんのだ」と戸惑いますが、
「最低野郎じゃん。あたしは行く。あんたはどうするの」と強気のアリッサ。
(ですが、内心は“行くって言って”とちょっと不安がっていました)
ジェームスはナイフから手を放し、アリッサについていくことにしました。
“彼女を殺すのは、後からでもいい”と考えたのです。
アリッサは服を着なおして、ジェームスはナイフを持って、二人は外に出ました。
…と、外には父がいましたが、彼の顔を思いっきり殴るジェームス。
“いつ彼女を殺せるかわからないけど、父さんを殴って車を盗んだ。こんな始まりもいい”
そう話すジェームスは、どこか清々しい口調に感じられました。
そんなこんなで、車は出発。
「びびってる?私は全然。」
そう話すアリッサに、ジェームスは“彼女は怖がるべきだった”
と考えていました。
…と、ここで第1話は終了です!
“あの頃”を思い出してムズムズする
私も、10代を北関東の片田舎で過ごしまして、
そのころはずっと「こんなつまらない街からは早く抜け出したい」とばかり考えていたなあと、10代の頃の気持ちを思い出してムズムズしてしまいました。
・学校も、周りの人も、つまらない人ばかり
・ときどき気持ちが爆発しそうになる。だれかを殴ってやりたい
こんなふうに考えることが多かったから、アリッサの気持ちは特によくわかって、共感しました。
もちろん、大人になるにつれて、いろいろな世界を見たことにより、そういう気持ちも落ち着きましたけどね(笑)
私は、アリッサとジェームスのように実際に逃避行をしたりはしなかったけど(ビビりな部分があったので)、本当に行動に移してしまった二人は、今後どんな旅路を歩むんですかね!
「このサイテーな世界の終わり」シーズン1第2話のネタバレあらすじはこちら↓
Netflix「このサイテーな世界の終わり」シーズン1第2話ネタバレあらすじ&感想