大人気長編シリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』。次々と場面が切り替わり、多種多様なキャラクターが登場するのが本作の魅力ですが、各回ごとにあまりにも情報量が多いのが特徴でもあります。
細部まで作り込まれたゲーム・オブ・スローンズの世界をより深く、何度でも楽しむために、ぜひ一緒に復習しましょう!
※シーズン7まで鑑賞済みの方へ向けて書いています。ネタバレにご注意ください。
この世界では春夏秋冬が定期的にくるわけではない
ゲーム・オブ・スローンズの宣伝で頻繁に使われ、すっかりおなじみとなったスターク家の標語「冬来たる。(Winter is coming.)」。
最初に登場したのはシーズン1の第1話がはじまってわずか11分たったところで、スターク家の当主エダード(通称ネッド)が「やがて来る長い冬に備えよ」と警告する場面でした。
それから長い年月が経ち、シーズン7でやっと雪が降り始めましたね。
忘れてしまいがちですが、この世界では何年間も同じ季節が続くのです。若者や子供達は「冬を知らない世代」で根性がない等と嫌味を言われる場面も度々登場しました。
いつまで経ってもこない冬がいつくるのか、また、どれくらい続くのかをウェスタロスの人々、特に北部ウィンターフェルの人々はシーズン1から大変不安に思っていたのでした。
ラニスター家とスターク家の確執の原因はリトルフィンガー
ゲーム・オブ・スローンズの物語は、ロバート王の<王の手>ジョン・アリンが亡くなったことにより後任として北部ウィンターフェル城の当主、ネッド・スタークがキングス・ランディング(七王国の王都)へ呼び出されたことで動き出しました。
亡くなったジョン・アリンの妻ライサはネッドの義妹で、彼はラニスター家の陰謀によって殺されたとして、ラニスター家とスターク家の間には確執が生まれました。
それから実に4シーズンもの間、視聴者はジョン・アリンを殺害したのはラニスター家だと思い込み物語を追っていたわけですが、なんと、シーズン4でライサが自ら夫を殺したと(驚くほどにあっさりと)告白したのです。
その告白の内容は、愛するリトルフィンガーに頼まれて夫ジョンを毒殺し、キャトリン・スターク(ライサの姉でスターク夫人)へ「夫がラニスター家に殺された」と嘘の手紙を出したというものでした。
ラニスター家とスターク家の対立はリトルフィンガーが企てたものだったのです。
シーズン7で再登場する”あの”短剣
先述のジョン・アリン殺害の他に、もう一つ、ラニスター家とスターク家の確執の決定的な原因となる出来事がありました。それは、ブラン・スタークの暗殺事件です。
シーズン7第4話でブランがリトルフィンガーから贈られたヴァリリア鋼の短剣を姉のアリアに譲るシーンがありましたが、あの短剣こそが、確執の原因(誤解)を生んだのです。
シーズン1第1話でブランにサーセイとの秘密を知られてしまったジェイミーは、彼を塔の上から突き落とします。(ブランが下半身不随となってしまった原因)
その後、病床にいるブランを殺そうと誰かが暗殺者を送り込みました。幸いブランは一命を取り留め、現場には凶器である短剣が残されたのです。
ブランの母親キャトリンはこのタイミングで妹ライサからの(嘘の)手紙を受け取ったことからこの二つの事件が関連していると確信し、短剣を持って自らキングス・ランディングへ出向き、詮索を始めます。
その短剣はリトルフィンガーが所有するものでしたが、彼はその事実を隠し「それはティリオン・ラニスターのものだ」とキャトリンに嘘を教え、憤慨した彼女はティリオンを捕らえ、やがてタイウィン・ラニスターの怒りを買ったという流れでした。
この短剣、シーズン1以来登場はありませんでしたが、やっとストーリーに戻ってきましたね。
非常に希少であり、かつ、ホワイトウォーカーを倒すことができる「ヴァリリア鋼」でできているため、今後の展開の鍵となるかもしれません。
サムはホワイトウォーカーを倒した
シーズン7の終盤ではジョン・スノウを筆頭にウェスタロスの人々が結集し「死人」との戦いに備えており、次回作ではついに両者の戦いが見られると言われています。
不死身で、かつ、死人を甦らせ仲間に加えることができる彼らに、人間が勝つことはかなりの至難の業だと思えますが、思い出してみてください。
第3章8話にて、<冥夜の守人>でジョン・スノウの良き友サムが、ジリとその子供(後のリトルサム)を救うため最初にホワイトウォーカーを(たまたまですが)倒しましたよね。
しかも彼の剣術の腕前は他の<冥夜の守人>に笑われるほど程度が低いものだったにも関わらずドラゴングラス一つで打ち倒すことができたのです。(この時サムが持っていたドラゴングラスの短剣は第2章にて「最初の人々の拳」で発見したものです。)
そのことをきっかけにジョン・スノウたちはドラゴングラスの威力を知り、のちのシーズンでドラゴングラスが多く埋蔵されている(これもサムが発見!)ターガリエン家所有のドラゴンストーン城へと向かい、実際にドラゴングラスを見つけましたね。
一世一代の戦い、いや、それ以上の大戦となるであろう人間VS死人の戦い。
さらには、死人側には亡くなってしまったデナーリスのドラゴンも参戦しているので、”生きたドラゴン”VS”甦ったドラゴン”の対決も見られるかもしれません。
ジェイミーとブライエニー。敵同士なのになぜ仲がいいの?
シーズン4第1話で、ラニスター家の長男ジェイミーは父タイウィンから贈られたヴァリリア鋼の剣を鎧とともにブライエニーに贈ります。
サンサ・スタークを探し出して保護する任務を与えられた彼女はその剣を「オウスキーパー(誓約を果たすもの)」と名付け、ジェイミーに報告したあと別れを告げます。
その後、シーズン6第8話で、ブライエニーは任務を終えたとして、リバーラン城での戦いが始まる前に再会したジェイミーにこの剣を返却しようとしますが拒否されます。
また、戦いが終わった後、敵陣のブライエニーをのせた小舟が城を後にするのをジェイミーが手を振って別れを告げ、見逃すシーンがありましたよね。
ラニスター家のジェイミーとスターク家に仕える女騎士ブライエニー。敵同士なはずの彼らは、どんないきさつでお互いに気にかけるようになったのか、思い出してみましょう。
キャトリン・スタークの命令でキングス・ランディングへ人質のジェイミーを護送するブライエニー(タース家出身)。
二人は道中でボルトン家(スターク陣営でキャトリンの独断に反対しジェイミーを連れ戻すのが目的)に仕える素行の悪い兵士たちに捕まってしまい、敵同士とはいえ「キングス・ランディングへたどり着く」という目的を共有する唯一の”仲間”となります。
兵士たちは女性であるブライエニーに暴力を振るおうとしますが、ジェイミーは
「タース家は”サファイアの島”を所有しているから、無傷で送り届ければ報酬が得られる」
と彼らの考えを改めさせました。しかしこの「サファイアの島」は、周辺の海の青さから由来するタース島の呼称であり、サファイアが豊富なわけではなかったのです。
つまり、これは彼女を助けるための嘘であったことがわかります。
それ以来ブライエニーはジェイミーの人の良さを知り、またジェイミーも主君へ忠誠心を誓い続ける彼女をみて、お互いに敬意を払うようになったのでした。
ティリオンとジョンはシーズン1で行動を共にしていた
ドラゴングラスを探し出す目的でドラゴンの母デナーリスに面会を申し込み、ドラゴンストーン城へとやってきたジョン・スノウ。
そこで出迎えるのはデナーリスの<女王の手>を務めるティリオン・ラニスター。「久しぶり」と言葉を交わす二人。
あれ?この二人、知り合いだったっけ・・・?
遡ることシーズン1でこの二人は、ジョンが<冥夜の守人>となることを決心し、ウィンターフェル城を出て<壁>へ向かうときに一緒に旅をした仲だったのです。
ティリオンの歯に衣着せぬ物言いで度々ジョンを怒らせていましたが、二人はこのときにお互いを信頼できる相手だと認識したのです。
ティリオンは高い<壁>の上から北を向いて用を足すという夢を実現し、その後、お互いの幸運を祈り別れを交わしたのでした。
ティリオンとサンサは結婚していた(している?)
遡ることシーズン3で、キングス・ランディングにいたティリオンとサンサは夫婦でした。
恋愛結婚ではなかったものの、(蹴落とし合うのが日常茶飯事なキングス・ランディングでは珍しく)お互いを思いやることのできる仲でした。
ウェストロスの法律はわかりませんが、二人は、ジョフリー王暗殺事件が起こった直後にサンサがキングス・ランディングから脱出して以来顔を合わせていないだけで、離婚をしたという描写は今のところありません。
(ちなみに、サンサとラムジー・ボルトンの結婚は違法ではないか、という声もあります。)
シーズン7の終盤でジョン・スノウとデナーリス・ターガリエンが結ばれましたが、その時サンサはジョンの代わりにウィンターフェルを守り、ティリオンはデナーリスの<女王の手>を務めていました。
ジョンとデナーリスの今後の同盟関係および恋愛関係の発展をうけて、サンサとティリオンの再会はあるのでしょうか?
タイウィン・ラニスターはアリアを気に入っていた
スターク家の宿敵ラニスター家の当主タイウィン・ラニスター。
彼は非常に政治力に優れ、冷徹な策略家。家名を守るために何でもする冷酷なキャラクターですが、彼は戦いの拠点であるハーレンホール城で難民と扮したアリアを自身の給仕係に抜擢し、彼女が敵陣スターク家の者であるとも知らずに、とても気に入っていましたね。
また、アリアは身を守るため、キングス・ランディングを脱出した後は男性に扮して生活していましたがタイウィンは彼女が「女の子」であるのを一目で気づきました。
その後は、アリアが自分に殺意があるとも知らず、タイウィンは給仕係の彼女に度々意見を訊いたり自身の生い立ちについて話したりとコミュニケーションを多くとっていました。
彼女がアリア・スタークであることに気づいていなかったおかげで、ラニスター家とスターク家の間では珍しく穏やかなやりとりが続いていました。
トメンがサーセイに明かした雀聖下(ハイスパロー)の目的?
シーズン6のキングス・ランディングでは〈雀〉として知られる宗教組織の最高聖書者である雀聖下(ハイスパロー)が権力を握り、若きトメン王を操ってサーセイを裁きにかけようとしていました。
サーセイは裁判へ出向くのを断固拒否し、息子トメンを引き止め続けます。裁判が行われる大聖堂はやがて鬼火によって爆破され、雀聖下をはじめ、トメンの妻マージェリーなどその場にいた人物が一瞬のうちに命を落としました。
これは「邪魔な人間」を一掃するサーセイの陰謀であったのです。愛する妻を亡くしたトメンはショックを受け、城から自らの身を投げてしまいました。そしてサーセイが息子に代わり玉座につくこととなったのです。
サーセイが大聖堂を爆破する以前のお話ですが、トメン王は母親サーセイに告白するシーンがありました。
それは雀聖下が自分だけに明かしてくれた”秘密”を彼女にこっそり教えるというシーンだったのですが、覚えていますか?
雀聖下を消し去るためにサーセイはどこかでこの”秘密”を使ったと思われますが、雀聖下本人とトメンが亡くなった今、その”秘密”を知っているのはサーセイただ一人となってしまいました。
”3人でも秘密は守れる。ふたりが死んでいれば。” ー ベンジャミン・フランクリン
という名言の通り、ネット上では多くのファンがその秘密について予想していますが、サーセイが今後その内容を明かさない限り、真実は闇に葬られてしまいました。
今後の展開に必要な情報かはわかりませんが、サーセイの恐ろしさを覚えておくのには必要なシーンなのかもしれません。
”何も知らないジョン・スノウ”
「You know nothing, Jon Snow」
”何も知らないジョン・スノウ”
懐かしいですね、イグリッドのこのセリフ!
さて、ゲーム・オブ・スローンズの原作ファンが長らく主張してきた有名な「R+L=J」の法則。
これはジョンの出生の秘密にまつわるもので、「レイガー(R) +リアナ (L) = ジョン(J)」というもの。
つまりジョン・スノウは狂王の長男レイガー・ターガリエンとネッドの妹リアナ・スタークの間に産まれた子。
ネッドは妻キャトリンにも言わずにジョンを自身の落とし子として育て、実の母親のことについてジョンには一切教えませんでした。
ジョンは<壁>へ向かうときネッドに「次に会ったときに母親のことを話そう」と言われましたが、結局その約束が果たされることはありませんでした。
リアナ、レイガー、ネッドが亡くなった今、真実を知っているのは<三つ目の鴉>となったブランだけです。
シーズン7第7話で
「ジョンはドーンで産まれたから、苗字は”スノウ”ではなく”サンド”だ」
と言うブランに、
「レイガーは妻との婚姻を無効にしてからリアナと極秘で結婚した」
と、とシタデルで見つけたある日記から得た情報をサムが教えるシーンがありましたね。ここでジョンは誰の落とし子ではなく、ターガリエン家の血を正統に継ぐ者であることが明らかになりました。
現在、ジョンはデナーリスと恋仲になっていますが、実際には叔母と甥の関係にあたります。ターガリエン家では代々、兄妹で結婚をさせ血統を守るという伝統があったのでこれは問題ではありません。
しかし、ターガリエン家の唯一の生存者である自分こそが「正統な後継者」だと謳うデナーリスよりも、ジョンの方が王位継承権が高いという可能性は考えられます。
すでに公開されているシーズン8の予告編では、デナーリスはジョンとともにウィンターフェルを訪れていますが、彼らはどのタイミングでブランと会い、真実を知るのでしょうか。
また、真実を知ったことによって何か変化はあるのでしょうか?
ジョン・スノウの出生についてはこちらの記事で詳しくまとめています。
ジョン・スノウ出生のまとめ~本名、父親・母親の秘密、落とし子の理由~
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あなたはすべて覚えていましたか?
今回は、「あなたが忘れてしまっているかもしれないゲーム・オブ・スローンズのこと」についてまとめました。強く印象に残る大きな出来事もあれば、いつのまにか忘れてしまっているような些細なこともたくさん起こりましたね。
これまでの内容を思い出して、ゲーム・オブ・スローンズの世界を心ゆくまで楽しみましょう!
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