Netflixのオリジナルドラマ「マニアック」。
今回は、主人公2人(アニーとオーウェン)の距離が縮まったり、新キャラが登場したりした回でした。
マニアック第3話「人生最悪の日」あらすじ
A錠の治験を終えた被験者たちは混乱。
そんな中オーウェンとアニーは、治験の際に問題があったとして、ムラモト博士から呼び出されるのだが、博士の身に思いもよらぬトラブルが。そしてネバーディーン製薬に、ジェームズ博士が舞い戻る。
マニアック第3話「人生最悪の日」のネタバレ&感想
第2話は、A錠の治験が終わるところで幕を閉じました。
第3話は、治験から被験者が目覚めるところからスタートします。
治験が終わり、被験者たちは全員が覚醒。
「こんなこと、倫理的に許されないわ」など、治験の内容に困惑しますが、スタッフから「あなたがたは同意書で倫理を放棄しています」と言われてしまいます。
(倫理を放棄しなきゃいけない治験に参加するなんて、怖くてたまらないですけどね。私だったらやりたくないなあ…)
困惑する被験者の中、オーウェンだけ様子が少し変です。
フジタ博士もそれに気づいていて
「1番(オーウェン)は意識があった。薬が効かなかったのかしら?」
と疑問に感じます。
被験者は番号順に、博士の部屋に呼ばれます。治験の結果の評価を行うためです。
まずは1番のオーウェンが呼ばれますが、博士の部屋に向かう途中、なんとオーウェンはA錠を捨てます。
飲まずにこっそりとっておいていたんですね!
だからオーウェンだけ薬の効果がなかったし、意識があったというわけ。
ムラモト博士はオーウェンに対し、治験から目覚めた時の気持ちなどを尋ねますが、オーウェンは「言葉にならない。言葉を失った」など、抽象的なことしか答えることができません。
すべての被験者の評価が終わりましたが、その後ムラモト博士は、問題のあった被験者を再度呼び出します。
呼び出されたのは
・1番(オーウェン)
・5番(治験に何度も参加している男性。第1話では製薬会社の待合スペースでオーウェンに話しかけていた。その後治験に参加する段階では、コンドームの持ち込みを怒られていた)
・9番(アニー)
の3人です。
5番の男性は
「すぐ呼び出されるときは、何か問題があったんだよ。
データがひっかかった点についていろいろ質問されて、金をもらえず失格になる。
何をやってもムダさ」
と肩を落とします。
アニーも「ちゃんとやってるのに」と不服そうな様子。
まずは5番の男性が博士に呼ばれ、面談のため室内へ。
その間にオーウェンはアニーに対し「君の指示に備えて、薬を飲まなかったんだ」と話しかけます。
第1話でオーウェンは、アニーに対して
「君は被験者じゃないよね?僕への伝言は?」
「君はエージェントだろう、僕に指示を伝えに来たんだよね?」
と話しかけていました。
最初はオーウェンのことを邪険に扱うアニーでしたが、第1話のラストでは
「そうよ、あなたが救世主。でも正体がバレたら終わり」
と、オーウェンの考えが正しいかのような発言をしていましたよね。
第2話ではアニーがオーウェンを軽くあしらっていたことから、アニーは面倒ごとを避けてオーウェンに適当に嘘をついたのかなという印象がありましたが、第3話のこのシーンで、ついに真相があきらかになります。
薬を飲まなかった、と言うオーウェンに対してアニーは
「悪かったわ、あんなことを言って。
実は面倒に巻き込まれたくなくて嘘をついたの。合わせただけ。」
と謝るのです。
やっぱり、オーウェンの妄想が本当だったわけではなく、アニーが適当に合わせていただけだったんですね。
謝罪を受けても、信じられないオーウェン。
「なぜ僕の名前を知っていた?広告で君を見たし、大きな法則があるって言っていた…」
アニーは、受付のアナウンスでオーウェンの名前がわかっただけでした。
広告については、自分の顔写真を数年前に売っただけ。
やっぱり、ただのオーウェンの妄想だった…そうわかったオーウェンは「混乱させちゃってごめん」とアニーに謝って、5番の男性と入れ替わりに面談のため室内に入ります。
オーウェンの実験結果に矛盾が生じていることを指摘するムラモト博士。
オーウェンに対して、トラウマの元となる体験の話をするよう促します。
オーウェンは、A錠を飲んだときに見た体験を話します。
・7ヵ月前の兄の婚約パーティーのとき、兄に「アデレイド(兄の婚約者の女性)に惚れているんだろう。俺のために証言してくれ。現実の話など関係ない。お前ならわかるだろう」と、
自分のために裁判で証言するよう頼まれる
・兄は婚約報告のスピーチで、アデレイドのためにスティングの曲を歌う
・それを見ていられなかったオーウェンは屋上へ向かい、飛び降りた
しかしこれを聞いたムラモト博士は
「それは作り話でしょう。データによるとあなたは意識があった。薬を飲まなかったんだ」
とピシャリ。
A錠を取り出して、今すぐ飲むようにオーウェンに指示します。
「もう飲んだ」
などとシラを切ろうとするオーウェン。
「飲んだ」「飲まない」「飲め」「嫌だ」の押し問答となり、しびれを切らしたムラモト博士はオーウェンを恫喝します。
この恫喝シーンが面白かったですね。
第1話のレビューでも書いたとおり、このドラマのメイン舞台となっている「ネバーディーン製薬」はどうやら日本企業で、
そこに勤めているスタッフや博士も日本人(と思われる人)が多く、たびたび日本語のセリフをしゃべるのですが、この恫喝シーンもいきなり日本語でした。
それも、関西弁!笑
「飲め!飲め言うとるんじゃこら!飲まんかい!!」
怒っているシーンなんですけど、いきなり関西弁で凄むのはなんだか笑ってしまいました。
その後、オーウェンが「なんかわからないけど、博士めっちゃ怒ってるわ…」という顔でしぶしぶ薬を飲むのも笑えましたね。
オーウェンの面談が終わり、こんどはアニーの番です。
「あなたがどうやってこの薬を手に入れたのかわからないが、過去に衝動的に使っていたと生体データに出ています。」
とムラモト博士は指摘。
アニーが過去にA錠を常用していたことが、治験の結果でバレてしまったのです。
「その気持ちはわかる。Aを飲んで起きる体験は中毒性がある。」
「トラウマを繰り返し経験する心理を、多くの人は理解しない。だがトラウマを経験する
ことで、喜びさえ覚える。」
「喪失感を持つべきと思っている人は、前進しようとする。回復の兆しも見せる。でもいつも元の状態に後戻りになる」
…実験に対して前向きな姿勢を見せるアニー(まあ、次の薬も飲んでみたいから、前向きな姿勢を見せたのかもですが)に対し、後ろ向きなことを伝えるムラモト博士。
しかしこの後、博士に思いもよらぬトラブルが起きます。
なんと、いきなり机にバタンと突っ伏してしまったのです。
「これがテストなの?」と戸惑うアニー。
オーウェンに助けを求め、室内に招き入れます。
惨状を見て「殺したの?」と戸惑うオーウェン。
「そんなわけないでしょ、突然死んだの」とアニーはツッコみます。
(ちょっと、オーウェンとアニーって、ボケツッコミの関係っぽいですよね)
アニーは室内を物色し、砕かれたA錠とC錠が入った瓶を見つけます。
どうやら博士も、アニーと同じように薬を常用してしまっていたようですね。
アニーが室内を物色する間、オーウェンはムラモトに薬を飲まされた際、どんなものを見たのか話します。
・昔片思いしていたオリヴィアに、歴史のテスト前に勉強を教えてと頼まれた。
・図書館に行く途中で初めてグリムソン(オーウェンの妄想の中の男。オーウェンに対したびたび啓示のような発言をする。第1話に登場)に会い、彼は「オリヴィアに注意しろ」と言った。
・オリヴィアは実は彼女はスパイだった。オーウェンの親がカネで、オーウェンに気があるフリをさせていた。
・兄弟は、オーウェンとオリヴィアの会話を聞いてあざ笑っていた。
・医者からはBLIP(短い精神病)と言われた。自覚は無かった。
・自分は間違っていなくて、周りが間違っていると確信していた
・その後、小さな個室で小さな個室で担架に縛り付けられた。「母さん」と叫び続けた。
オーウェンはアニーに
「君は今まで、自分が正しくて周りが間違っていると確信したことはない?」
と問い、アニーは「しょっちゅうある」と答えます。
オーウェンのつらい経験を聞いたアニーは、オーウェンに同情したようすでした。
症状(?)は違えど、二人には通じ合うものがあるようですね。
アニーは、ムラモトのデスクから、自分とオーウェンの治験ファイルを見つけます。
自分のファイルには「再調査」「承認取り消し」の紙がありましたが、アニーは治験を続けられるよう工作。オーウェンにも、彼自身のファイルを渡します。
被験者たちの食事の時間。
みんな揃って「フードキューブ」という専用の食事を食べます。
(このあたりのディストピアっぽい、味気ない描写が良いですね)
オーウェンはアニーに対し「なぜ僕に嘘をついてまで薬がほしいのか」と尋ねます。
アニーは「あんたがBLIPだと知っていたら絶対にあんな嘘はつかなかった」と謝ったうえで、自分のトラウマ(妹と旅行中に、事故にあった経験)を打ち明けます。
「ぶつかったトラックの運転手は30時間も運転していて、眠気覚ましのサプリでハイになってた。
事故が起きたのは全部あの男のせい。あの薬を飲むと、頭の中であの日が繰り返される。
私は言ったことがないような最悪のセリフを吐いて、最悪の事態で幕を閉じるの。
でもたどりたい。」
「なぜ」とオーウェンはアニーに尋ねます。
(私も同じように疑問を持ちました。つらい経験なんて、ふつうは何度もしたくないものですからね)
オーウェンの問いに対し、アニーはこう答えました。
「妹に会えるから。」
アニーと妹の身に起きた事故は、かなり大きな事故でした。
妹の生死はわかりませんでしたが、この発言から察するに、妹はもしかしたらもうこの世にはいないのかもしれないですね。
謝りたくても謝れない。もう会えない。
だからこそ、アニーはA錠を何度も飲んで、トラウマとなったあの事故のときの記憶を繰り返し見ることで、妹に会えた気になり、気持ちがいくらか落ち着いていたのかもしれません。
オーウェンとアニーは、ムラモト博士の死については「なにもなかったふり」を貫き通していますが、ついにフジタ博士やスタッフたちが異変に気付きます。
博士たちはムラモト博士の室内へ。そこで惨状を目の当たりにしました。
フジタ博士は、ビルの77階にある社長室へ向かいます。
この「社長」がまた独特でしたね。
なにせ、人間じゃない!
スタッフがモニターを持っていて、そこからはロボットのような声が流れています。
それに対しフジタ博士は、ムラモト博士の死を報告するのです。
(ロボットが社長なのか、はたまた社長が遠方に居てなんらかの中継なのか…うーん、たぶん前者かなと思われます)
フジタ博士は、ムラモト博士がA錠・C錠を服用していることに気づいていました。
そして、薬を世に出すためにも、ある人物を会社に呼ぶべきだと、社長に提言します。
(社長とフジタ博士の対話のシーンも、日本語でしたね!日本語吹き替えでドラマを見ている皆さんも、このシーンだけはオリジナルのほうの音声で聞いてみることをおすすめしますよ。ちょっとカタコトな日本語なので、インチキ日本感があって面白いです)
*
シーンは変わって、いきなりサイケデリックなCGアニメ。
(まじで混乱しました)
髪の毛だけCGの実写の男性(なかなかハンサム)と、全身ショッキングピンクのCGの女性が、いきなりSEXを始めます。
(思い出しながら書いていても、突然すぎて訳が分からないシーンだったなあと笑えてきます。あと、CGのポリゴンが粗いのも面白ポイントです。めちゃくちゃ古いプレステのゲームみたい)
「なんなんだこのシーンは…」と思っていると、現実のシーンに戻り、フジタ博士がある男のいる部屋へ。
この男こそ、フジタ博士が会社に呼びたかった人物=ジェームズ博士だったのです。
で、さっきのわけわからんサイケデリックなCGは、この男が室内で楽しんでいたVR自慰だったのです(笑)
(完全に余談ですがVRのそういうヤツは私たちが生きているこの社会にも現在存在していますね。笑)
かつ、さっきのCG内での男性のルックスと、現実のジェームズのルックスがかけ離れていたのも笑いました。
妄想の中では理想の姿でいたいですもんね。笑
現実のジェームズ、ハゲ散らかっているし眼鏡だし…。
いきなりフジタ博士がやってきて大慌てのジェームズ。
フジタ博士は「急に押しかけてごめんなさい。まだ合いカギがあって…」と謝ります。
(合鍵を持っている…ってことは、ふたりは過去に恋人関係だったりしたんですかね!)
ムラモト博士が死んだこと、ジェームズの助けがいることを話し、ジェームズもしぶしぶ、頼みを受け入れます。
*
翌朝、ジェームズとフジタはネバーディーン製薬に。
「呼んでくれてありがとう」と言うジェームズに対し
「あなたの発明だもの」と返すフジタ。
(ジェームズ、そんなにすごい人だったんですね!なんで一度、実験から離れたんだろう…ひどい事故が起きたからですかね)
ジェームズはガーティー(GRTA)の元に向かい、ムラモトの死と、自分が再度プロジェクトの指揮をとることを伝えます。
ムラモトの死を知り「ああ…」と、とても残念そうな声を出すガーティー。
誰もいなくなった室内で、ガーティーは一人静かに涙します。
ガーティーの涙=ハンダが溶け、1番(=オーウェン)と9番(=アニー)の配線のうえにぽとりと落ちました。
ガーティー(GRTA)は実験の分析などをしているコンピューターですが、このシーンはかなり人間味があって、とてもきれいなシーンでしたね。
ガーティーの部屋がピンク色の照明なのも良いですよね。
というかこのドラマ、画面がずっときれいなんですよね。どこを切り取っても絵になるというか。
絵が綺麗なのと、ガジェット描写がわくわくするポイントですね。
(今回のガジェットだと、博士たちが寝ている引き出し型のベッドにわくわくしました。近未来感がある~!)
朝食の時間。ジェームズは被験者たちに向かって
・ムラモトが実験から外れて、自分が治験の責任者になること
・薬への期待
・勇気ある被験者たちの感謝
を伝え、挨拶をします。
博士たちは、被験者たちが動揺して、治験データに影響が出ることを恐れていましたが、幸い被験者たちは落ち着いた様子です。
その後、音楽が鳴って奇数組の試験時間に。
いよいよB錠の試験です。
ここでおさらい!
治験では、
・A錠(もう服用済み)
・B錠
・C錠
の3種類の錠剤を、3回に分けて飲むことになります。
今度のB錠の治験は、第2ステップと言えますね。
診断用のA錠で、被験者のトラウマを引き出し表面化したあと、B錠で盲点を探し出す(被験者自身の心が自らを欺くために作り出した防衛のメカニズムを見つける)という流れでした。
ジェームズの監督のもと、B錠を飲む被験者たち。
オーウェンも今度はきちんと飲みました。
そして、マイクロ波の照射スタート。
(ここで、被験者たちの配線が写るのですが、ガーティーが泣いたから1と9の線には、はんだが溶けてるんですよね…オーウェンとアニーの治験に何か影響はないんでしょうか…?)
*
シーンは変わってオーウェンの脳内。
これもかなり戸惑いシーンでしたね。
「ブルース起きて」と女性の声がします。(ブルースって誰)
オーウェンらしき男性がソファーに座っていますが、後ろ髪が長くて、アメフト選手の格好をしています。アメフトのユニフォームの背面には「ムーン」と書かれています。
(え、誰?オーウェンじゃないってこと?ブルース・ムーンさんってこと?結局、誰??)
オーウェン…じゃない、ブルースは女性の声がするキッチンへ。
女性はなんとアニーでした。でも髪の毛がカールしているなんだかケバい…アニーじゃないのか?
ふたりは、どうやら同棲している様子で、いっしょにキッチンに立ちます。
…というところで第3話終了です!
今回は、オーウェンとアニーがお互いの経験を打ち明けあって距離が縮まったり、ジェームズ博士という新キャラが出てきたり盛りだくさんでしたが、最後のシーンの謎っぷりがすごかったですね!
B錠=被験者自身の心が自らを欺くために作り出した防衛のメカニズムを見つける、ということは、
オーウェンは防衛メカニズムとして脳内に妄想の世界があって、そこでは自分もアニーも別人になっている…みたいなことなんでしょうかね!
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