ゲームオブスローンズと言えば忘れてはいけないのが策士リトルフィンガーことピーター・ベイリッシュ。
彼の性格を一言で説明すると、総じて野心と貧乏コンプレックスが強い拝金主義者と言えるでしょう。キャトリンへの愛は本物ですが、残酷なまでに現実主義者であるため時には彼女や彼女の子供達を道具として利用する利己心の持ち主です。
シーズン7までスタークとラニスターの戦いを影で操り続けたリトルフィンガー。今回は彼の活躍と過去の悪行の数々をまとめました。
※アイキャッチ画像引用元:https://www.hbo.com/game-of-thrones/cast-and-crew/petyr-baelish-littlefinger
ピーター・ベイリッシュとはどんな人物なのか
まずはリトルフィンガーがここまでの野心家になるに至った背景を彼の生い立ちも交えながら紹介して行きたいと思います。
ピーター・ベイリッシュの生い立ち
ベイリッシュ家の開祖であるリトルフィンガーの曽祖父は、もともとブレーヴォスから招かれウェスタロスにやってきた傭兵でした。
よそ者のためウェスタロスに元々の領土は持っておらず、戦働きの報酬としてフィンガーズ地方の岩だらけの痩せた小さな土地を与えられました。
それ以降そこがベイリッシュ家の領土となりますが、古くからの貴族でない上メイスターもいないような貧しい家であったため、諸侯からは侮られていたようです。
転機とキャトリンとの出会い
そんな家に生まれたベイリッシュですが、父がリヴァーランドのホスター・タリー候に仕えて重用されており、その縁でタリー家の養子に迎えられます。
この頃にホスター・タリーの娘であったキャトリン、ライサと出会い兄弟のように育ちベイリッシュはキャトリンを愛するようになります。
タリー家がスターク家と同盟を結ぶにあたり、キャトリンが当時のウィンターフェル候の長男ブランドン(ネッドの兄)と婚約することとなります。
キャトリンを愛するベイリッシュは婚約を破棄するようブランドンに迫り決闘を挑みますが、剣より口で戦う方が得意なため案の定ボコボコにされキャトリンの取りなしで命を救われることとなります。
ベイリッシュがスタークの男を嫌うのは根本にこの事件があるように思います。
小評議会の参議になるまで
無事命の助かったベイリッシュは、その後自分に惚れていたライサの口利きで夫ジョン・アリンに仕えていました。ここで税務管理の能力を遺憾なく発揮してジョン・アリンに引き立てられ、シーズン開始時には小評議会の大蔵大臣にまで上り詰めています。
「リトルフィンガー」と言うあだ名について
リトルフィンガーというあだ名は彼の領土であるフィンガーズの小さな土地が由来。
その身分の低さを嘲ってエドミュア・タリーを始めとするキャトリンの弟達がつけたもの。しかし。のし上がってからは出世の証と考えており、自らのニックネームとして受け入れています。
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それでは、ここからはリトルフィンガーの悪行を振り返っていきます。
ジョン・アリン殺害
高巣城とその領土を手中に収めるため、ライサに毒を盛らせ彼女の夫であるジョン・アリンを殺害させる。その後ライサからキャトリンに宛てて手紙を書かせ、ジョン・アリン殺害はラニスターの仕業であると疑念を抱かせます。
ブランの暗殺未遂
ブランの暗殺未遂事件も、リトルフィンガーが裏で糸を引いています。
リトルフィンガーはティリオンに濡れ衣を着せるため、暗殺者にヴァリリア鋼の短剣を渡し、ブランを殺すように命じます。
その上で短剣がティリオンの持ち物であるとキャトリンに嘘を告げたことでキャトリンがティリオンを捕らえ、スタークとラニスターの関係は悪化します。
この知らせが王都のラニスター家に届き、ネッドはジェイミーに襲撃され足を負傷します。
作中での明言はありませんが、ブランの暗殺はおそらくジェイミーとの情事を目撃されたサーセイがリトルフィンガーに命じてやらせたものだと思われます。
(※原作ではジョフリーの指示と思わせる描写があります。)
ネッドへの裏切り
サーセイとジェイミーの関係と子供達の出生の秘密を掴んだネッド。その直後にロバートが急死し、ネッドは遺言状を預けられます。
リトルフィンガーはネッドを後押しし、シティウォッチが味方についていると伝えネッドを後押し。ジョフリー王子の出生の秘密を暴露し対決するようそそのかしますが、
シティウォッチとベイリッシュは裏切ってサーセイの側についており、ネッドは謀反人として捕らえられてしまいました。
ライサ・アリン殺害
王都からサンサを連れ出したベイリッシュは、サンサの叔母であり自分の恋人でもあるライサ・アリンの居るアイリーへと連れて行きます。
ライサは到着当初こそ叔母としてサンサを歓迎しますが、もともとキャトリンにベイリッシュの心を奪われたと感じていたことから徐々にサンサに強く当たるようになります。
そしてベイリッシュがサンサにキスをすると言う決定的な瞬間を目撃したことにより激昂。サンサを月の扉から突き落として殺そうとしますが、止めに入ったベイリッシュにより自分の方が投げ落とされて殺されてしまいます。
サンサを守ろうとしたのもライサを殺害した理由の一つではあったのでしょうが、米リッシュのことですから共犯者として秘密を多く握って居るライサをいつかは殺すという腹積もりの上での行動だと思われます。
サンサをラムジーと結婚させる
アイリーを出たリトルフィンガーは、北部の裏切り者であるボルトンの私生児、ラムジーとの結婚をサンサに了解を得ずに勝手に決めていました。
ボルトンは国王より北部総督の地位を与えられていました。しかし北部は一枚岩とは言えず、元のウィンターフェル候の娘であるサンサが必要だったのです。
サンサはリトルフィンガー自身がサンサの後見人として北部に影響力を持つための足がかりに利用されたのでしょう。サンサが逃げた後ジョンとラムジーが共倒れになれば実質的にウィンターフェルの支配者になっていたと思われます。
サンサを孤立させ操ろうとする
ウィンターフェル奪還後も、リトルフィンガーはサンサの側にいます。 サンサに周囲に対する不信感を抱かせるため、ブライエニーとアリアに関する疑念を吹き込もうとします。
ブライエニーは常にサンサの側に控えておりリトルフィンガーを警戒していたため、サンサを操るのに邪魔な存在だったためです。
またアリアに関してもサンサを殺して城主の座を奪う気だと露骨に嘘をつき、サンサを使ってアリアを排除しようとします。
しかし、サンサもここまでベイリッシュと行動を共にしており、策士として彼から多くのことを学んでいました。この計画はサンサにとうに見破られており失敗に終わります。
その後ベイリッシュはこれまでの悪行を北部諸侯と谷間の諸侯たちの前で暴露されます。
言い訳を述べ、サンサに二人きりで説明させてくれるように嘆願しますが聞き入れられません。
最終的にベイリッシュは自分の罪を一切晴らすことができないまま、ブラン暗殺に使った短剣でアリアに喉を掻き切られて処刑されてしまいました。
まとめ:ベイリッシュは何がしたかったのか
結局のところベイリッシュと言う人間は、飽くなき野心と出世への渇望に突き動かされ続けた人物であると言えるでしょう。
いわば出世し続けないと死んでしまうマグロのようなものかと思います。
サンサに語ったように、最終的には鉄の玉座の主人になることを望んだようですが、志半ばで自ら育てたサンサに嵌められてシーズン7にて退場することとなりました。
しかしながらベイリッシュの活躍(暗躍?)はストーリーにも大きく影響を与えているところ。
気になった方は本編を見返してみることをお勧めします!
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